5月15日に新曲「真人間入門」でメジャー再デビューを果たした野球好き歌手、河野万里奈がプロ野球セ・リーグの5月ベストナインを選出した。

「僭越ながら、個人的に胸に響いたベストナインを選ばせていただきました。軸にした視点は、『その瞬間の輝きが強かった』『ぜひ伝えたい素敵な成績、エピソードがあった』の2つです。各ポジション1人に絞るのがとても難しかったです。より野球を、野球選手さんを、好きになる一助となれたら嬉しいです」(河野万里奈)

野球好き歌手が選んだ5月ベストナイン/パ・リーグ


先発投手=今永昇太(DeNA)

我らの福岡が生んだベースボール・アーティスト。帰ってきた左腕は頼もしく、防御率1.47、勝利数6で単独トップの堂々2冠(5月31日時点)。上茶谷投手のTwitterアイコンに今永投手の写真がなぜか抜擢されており、上茶谷投手の投稿なのに今永投手の言葉みたいになっている怪奇現象も味わい深い。我慢の年だった去年に比べて明るい表情が見られることが嬉しい5月だった。これからもいっぱいガッツポーズをしていっぱい笑ってキュートな八重歯を見せびらかしてほしい。

5月17日のヤクルト対DeNA 5回裏ヤクルト2死二塁、青木を遊ゴロに仕留めガッツポーズする今永(撮影・足立雅史)
5月17日のヤクルト対DeNA 5回裏ヤクルト2死二塁、青木を遊ゴロに仕留めガッツポーズする今永(撮影・足立雅史)

☆迷った枠

山口翔(広島)

「5月下旬、日本全土にファンが急増した野球選手ランキング」1位(河野調べ)と思われる山口投手。高卒2年目にしてプロ初先発した5月30日ヤクルト戦、ノーヒットノーラン目前の好投で7回1安打0封。カープ月間勝利数球団新記録(20勝)に貢献。クリクリのお目目でご両親に「産んでくれてありがとう!俺やったよー!」と叫ぶヒーローインタビューには、どんなに修羅のような人間でも頬がゆるんでしまったに違いない。同チームの大先輩・永川投手のモノマネもうまく、ユーモアと愛嬌たっぷりの新たなアイドルが爆誕した。

5月30日、プロ初勝利を挙げた広島山口(右)は、緒方監督と勝利球を手に笑顔を見せる(撮影・足立雅史)
5月30日、プロ初勝利を挙げた広島山口(右)は、緒方監督と勝利球を手に笑顔を見せる(撮影・足立雅史)

リリーフ投手=ピアース・ジョンソン(阪神)

俺たちのPJ。防御率0.68。5月31日まで6試合連続ホールドとタフな活躍ぶりで、現在19ホールドポイントはリーグトップ。コントロール◎、ストレートの速度◎、高速カーブは空振り率が19・8%と変化球のキレも◎、その上クイックの速さやタイミングを惑わせる投球術も◎。極めつけには「天使かな?」と思うようなお人柄の良さ。シカゴ・カブスのマイナー時代、メジャーで活躍していた福留選手に憧れていたのでチームメートになれて喜んでいるというエピソードも心が温かくなる。PJのコラボメニュー「フレッシュマンゴーかき氷」で夏を始めるべき。

5月29日の阪神対巨人 10回に登板し無失点に抑える阪神ジョンソン(撮影・清水貴仁)
5月29日の阪神対巨人 10回に登板し無失点に抑える阪神ジョンソン(撮影・清水貴仁)

☆迷った枠

中川皓太(巨人)

セットアッパー・クローザー・回跨ぎ…何でもこなし、巨人のリリーフ陣を守る妖精さん。ベビーフェイス=童顔というかベビーの顔そのもの(河野調べ)。赤ちゃんみたいなクシャッとした笑顔と、どっしりしたマウンドさばきのギャップは類を見ない。「ラインから外れてゾーンに戻ってくる」というスライダーのキレには同チームの丸佳浩選手も驚愕。開幕から16試合無失点、21試合登板時点でもわずかに1失点。着目すべきは、クリーンアップなど相手の強い打順にあえて当てていってもなおこの数字であることだ。

5月23日の巨人対DeNA 最終回を締める巨人中川(撮影・狩俣裕三)
5月23日の巨人対DeNA 最終回を締める巨人中川(撮影・狩俣裕三)

捕手=梅野隆太郎(阪神)=2カ月連続

2カ月連続選出。5月22日の先制ホームランのインパクトたるや。元大学日本代表4番打者ここに在り!というフルスイングで振り切った身体は完全に真横を向いていた。甲子園の空気が割れそうだった。5月30日巨人戦の丸選手三振→坂本選手二盗阻止での三振ゲッツーも印象大。肩にもバットにもバズーカ砲を搭載している梅ちゃんさん。牽制球が一塁走者の梅ちゃんさんの右頬に直撃、しかしそのまま二塁へ走ったこともあった。5月23日ヤクルト戦だ。「ボールが当たったぐらいの顔でちょうどいいでしょ」。これは試合後の梅ちゃんさんの台詞。心には男気を搭載。福岡県那賀川市の星ばい。

5月22日の阪神対ヤクルト 2回裏阪神無死、左越えに先制ソロ本塁打を放つ梅野(撮影・上田博志)
5月22日の阪神対ヤクルト 2回裏阪神無死、左越えに先制ソロ本塁打を放つ梅野(撮影・上田博志)

一塁手=村上宗隆(ヤクルト)

「村上宗隆」と書いて「きぼう」と読みたい。5月26日の先制タイムリーツーベース、29日の逆転3ラン、30日は山口投手(広島)のノーヒットノーランを阻止するレフト前ヒット。チーム連敗の悪夢をどうにか切り裂こうとするかのようにバットを振ってきた19歳。打点41はリーグ1位。本塁打14本はリーグ5位。ファーストでは大開脚、サードでは素早い握り替えをしながら泥だらけで守る。攻守交代のグラウンドには、一番に守備位置に駆けていく村上選手の背中があった。険しく辛い状況下でも「強く咲く大輪」村上選手。強く咲け、ヤクルト…!!

5月29日のヤクルト対広島 1回裏ヤクルト1死二、三塁、右越えに14号3点本塁打を放つ村上(撮影・たえ見朱実)
5月29日のヤクルト対広島 1回裏ヤクルト1死二、三塁、右越えに14号3点本塁打を放つ村上(撮影・たえ見朱実)

二塁手=糸原健斗(阪神)

途中出場の日もあるというのに5月30日まで14試合連続出塁。スイングスピードの速さ、選球眼の良さ、「相手からしたらさぞ嫌な打者だろうな」といつも思う。23日ヤクルト戦サヨナラ打ではその仕事ぶりもさることながら、喜ぶ仕草のかわいらしさにため息が出た。「とっとこハム太郎」の世界観だった(河野調べ)。ご自身より身長の高い矢野監督にハグされて上下に振り回されている様子も愛に溢れていて眼福だった。26日DeNA戦ではガルシア投手の完封をサポートするセカンドでのファインプレーもあった。どう生きたらあんなにかわいらしくかっこよくなれるのか教えてほしい。

5月23日の阪神対ヤクルト 9回裏阪神1死満塁、糸原(手前)はサヨナラ右前適時打を放ち矢野監督に抱きついて喜ぶ(撮影・上山淳一)
5月23日の阪神対ヤクルト 9回裏阪神1死満塁、糸原(手前)はサヨナラ右前適時打を放ち矢野監督に抱きついて喜ぶ(撮影・上山淳一)

三塁手=高橋周平(中日)

セ界一覚醒した男。月に8度の猛打賞はイチロー選手らに並ぶプロ野球タイ記録。5月、月間打率.417、打点29、安打40で3冠。月間猛打賞プロ野球新記録樹立とはいかなかったものの、最終日をホームラン含む5打数2安打3打点で締めるという英雄っぷりにはただただ拍手喝采…! 昨年末に第一子となるご長女がお生まれになり、とあるトークショーで今季の漢字一文字を書くように言われて「パパ」と書いた(漢字一文字とは一体…?)高橋選手。パパパワーで6月も大躍進期待!

5月26日のヤクルト対中日 5回表中日1死満塁、2点適時打を放ち工藤コーチ(右)の出迎えを受ける高橋(撮影・中島郁夫)
5月26日のヤクルト対中日 5回表中日1死満塁、2点適時打を放ち工藤コーチ(右)の出迎えを受ける高橋(撮影・中島郁夫)

遊撃手=坂本勇人(巨人)=2カ月連続

もはやわたしから坂本選手について改めて語ることは無いのに、ピックアップせざるを得ないご活躍をされてつらい(嬉しい悲鳴)。5月29日、プロ通算200本塁打達成、ご自身初の月間2ケタ本塁打を記録。坂本選手は試合中もよく笑う。凡退して歯を見せている選手は批判されることも少なくないが、坂本選手が三振に倒れて笑顔を見せていてももはや誰も異論を唱えない(河野調べ)、そんな境地にいるのだなと感じた。24日広島戦で炭谷選手がホームランを打った時になぜだかベンチで凄まじくダイナミックなリアクションで喜び飛び跳ねていたのも「トムとジェリー」みたいで良かった。

5月29日の阪神対巨人 3回表巨人2死、中越えに通算200号本塁打を放ち記念ボードを手にする坂本(撮影・清水貴仁)
5月29日の阪神対巨人 3回表巨人2死、中越えに通算200号本塁打を放ち記念ボードを手にする坂本(撮影・清水貴仁)

外野手=西川龍馬(広島)

勝ち続けている広島で、打ち続けている男。5月31日まで23試合連続安打。「規定打席に到達して3割打つことが目標」と語っていた開幕前と、今の成績とを照らし合わせると、ジーンと来るものがある。現在プロ初の規定打席到達で打率.307(31日時点)。解説の篠塚氏をして「野球をやっているアマチュアの人にもお手本にしてほしいバッティング」と言わしめる。打った後のスローVTRが楽しみになる。昨季サード起用が多かったが今季はレフトがハマっており、鈴木誠也選手の外野手用グローブを愛用中ぜよ。

5月25日の巨人対広島 6回表広島2死一、二塁、右翼に適時二塁打を放つ西川(撮影・垰建太)
5月25日の巨人対広島 6回表広島2死一、二塁、右翼に適時二塁打を放つ西川(撮影・垰建太)

外野手=近本光司(阪神)

「近本以前、近本以後」で阪神史を語れるのではと感じるほどに変革をもたらしているドラ1ルーキー。単純に数字だけでは語れない貢献度。例えば「近本選手の足だから三塁打になった」「近本選手の足だから犠牲フライになった」ということが多々ある。同じ1本のヒットでも、フィギュアスケートでいう「出来栄え点」でかなり大きな加点をもたらしているような印象だ。近本選手の出身校は関西学院大(わたしも!)、後輩には、陸上男子短距離で、追い風参考記録ながら日本国内競技会で日本選手初の100m9秒台(9秒94=17年6月10日)を記録した多田修平選手がいる。彼のフォームを盗塁の参考にしているという。他ジャンルからの学びをそしゃくして自分のフィールドに活かせるのは知性あってこそ。

5月22日の阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、左前安打を放ちガッツポーズする近本(撮影・上田博志)
5月22日の阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、左前安打を放ちガッツポーズする近本(撮影・上田博志)

外野手=鈴木誠也(広島)

5月5日巨人戦、通算100号ホームランを放つ。24歳6カ月での達成は球団史上最年少の速さ。しかしもはや貫禄がありすぎて24歳に見えない気もする(河野調べ)。リーグトップの打率.360と打点41(打点は村上選手と同じ)。リーグ2位の本塁打15本。広島の月間20勝は、鈴木誠也選手なしで語れまい。ふざけすぎて境界線を越えてしまう面もあるが、巨人戦の練習中しつこく丸選手をイジりに来る姿も野球ファンとしては楽しみの一つ。

5月17日の阪神対広島 4回裏阪神2死一、二塁、鈴木誠也(手前)は自らの好送球でピンチを切り抜け笑顔を見せる(撮影・上山淳一)
5月17日の阪神対広島 4回裏阪神2死一、二塁、鈴木誠也(手前)は自らの好送球でピンチを切り抜け笑顔を見せる(撮影・上山淳一)

河野万里奈(かわの・まりな)

5月21日生まれ、福岡県出身の歌手。関西学院大出身。物心がついた頃から、夏休みは兵庫・尼崎市の祖母宅に行き、家族で甲子園球場に通っていた。選手にドはまりした最も古い記憶は、04年の佐野恵太選手(東海大甲府高)。中学時代、多感な時期の女子たちとのコミュニケーションに苦しんでいた時に、鳥谷敬(阪神)の存在を知る。言葉でなく背中で語る姿に救われて以来、「鳥谷様」と呼ぶほどに崇拝。自称「鳥谷チルドレン」。甲子園から応援していた選手が各球団に散っていくため、特定の球団を応援することができない。「NPB箱推し(全体を応援している、の意)」で、現在は週1のペースで各地の球場に足を運んでいる。

2010年、「第4回アニソングランプリ」で応募者総数1万189組の中からグランプリを獲得し、翌年アニメ『Aチャンネル』のOP曲「Morning Arch」でデビュー。作詞作曲、ライブパフォーマンスのインスピレーションは9割野球選手から受けている。SNSの投稿内容の割合は、歌:野球=2:8。とにかく脳内が野球に支配されている。ライブ中のMCでも野球トークを繰り広げるため、共演者や音楽ファンをしばしば困惑させるほど。選手への愛しさ余って勝手に応援歌を作りSNSに投稿しており、昨年は西武ライオンズの山賊打線をテーマにした曲「ライオンズアラート」がややバズって喜んだ。選手の登場曲を担当することが夢の一つ。いつか鳥谷様に、ここまで育ててくださったことのお礼を言うことも夢の一つ。148センチ、右投げ右打ち。

2019年5月15日、テイチクインペリアルレコードよりニューシングル『真人間入門』再メジャーデビュー。同19日にワンマンライブ開催。

5/15リリース「真人間入門」Music Video(https://youtu.be/2dOgrXy3QVo)

野球好き歌手・河野万里奈が熱く語る/シリーズ一覧

河野万里奈
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