楽天則本昂大投手がエースのプライドを存分に示した。球数的に最後のイニングとなる7回。直前、オリックス山岡の3者連続三振に心が奮い立った。

「こっちも負けられない。(打順の巡りが)3、4、5番だったので、全部三振に取るつもりだった」。中川と吉田正は140キロに迫る高速フォークで切り捨て、マレーロには低めいっぱいの152キロ。3者連続三振でお返しした。

ヒットは先頭福田の内野安打1本だけ。犠飛で先制されたが、2回以降は走者すら許さなかった。力みを感じさせずに最速153キロをマークするなど「真っすぐのライン出し、変化球の精度も良かった。自分の仕事はできた」。納得の107球にも援護なく今季初黒星を喫し、17年5月から続いていた自身のオリックス戦連勝も9で止まった。

右肘クリーニング手術からの復帰戦ではチームの10連敗をストップし、中6日で完全復活への順調な歩みをより強烈に印象づける快投。平石監督は「この内容で負けをつけてしまって申し訳ない」と言ったが、エースは潔い。「序盤いいところをつくられても1本出させないのはさすが。今日は山岡に完敗だなと思う」と投げ合った相手をたたえた。【亀山泰宏】