阪神福留孝介外野手(42)が9日、PL学園で指導を受けた元監督の中村順司氏(73)から激アツエールを受け、決意を新たにした。マスターズ甲子園に出場する母校OBを、開会式後に三塁側アルプス席で激励。中村氏らと旧交を温めた。

福留 PLのユニホームを見ると懐かしいですね。(ユニホームで)野球ができる人はうれしいと思う。いいことだと思う。

この日も球場から母校校歌や応援歌が聞こえてくるクラブハウスで自主トレ。連日のように顔を出し、体を動かし続けている。来季は日米通算22年目で4月には43歳を迎える。球界最年長選手になるが、恩師の中村氏は激励する。「彼は体に力がありましたよね。いいところで勝負強さがあるじゃないですか。また1年。あと何年じゃなく、1年1年、頑張ってほしいなと思います」。球団は契約更新する方針で、期待は来季1年の完全燃焼だ。

かつての超高校級スターはPLで地歩を築いた。95年夏の北海道工戦で満塁弾と2ラン。史上10人目の2打席連続アーチは離れ業だった。甲子園に春夏3度出場し、中村氏はそのすごみを「松井稼頭央が遠征に行った時、1年生の福留がライナーでウチのグラウンドでホームランを打ったとか。そういう運を持っています」などと思い起こした。

春夏6度、甲子園制覇した名将が選手に伝えてきたことがある。「高校野球は甲子園で、夏で終わるんじゃなくその後、大学や社会人、30歳まで現役選手をやれればトップ選手、成功者だよ」。いま、福留は42歳。不断の努力を重ね、第一線に立つ。「いまのような状況で、阪神タイガースのために頑張ってほしい」。福留も以心伝心。PL魂で来季Vに力を尽くす。【酒井俊作】