中日育成ドラフト1位の名大・松田亘哲(ひろあき)投手(22)が11日、名古屋市千種区にある中華料理店で入団交渉を行い、支度金200万円、年俸300万円で仮契約を交わした。中日ファンの聖地でもある「ピカイチ」で入団交渉を終えた松田は地元での飛躍を改めて誓った。

名大初のプロ野球選手誕生の地は地元出身にふさわしい場所が選ばれた。中日の選手、関係者はもちろん熱烈な竜党が集う「ピカイチ」には開店前にもかかわらず多くの報道陣や一般ファンが訪れ、ちょっとしたフィーバー状態となった。

偉大な先輩たちが着たユニホームや色紙がズラリと並ぶ中で仮契約を終えた松田は「初めてきたのですが、ビックリしました。すごいですね。楽しかったです。自分は愛知県に生まれ育ったので地元の球団に指名していただいてうれしい。恩返しできれば」と笑顔を見せた。

もっとも高校時代はバレーボール部。育成契約でプロ野球人としてはまだ端緒についたばかり。具体的な目標設定について問われると「まだ自分がどのレベルにあるのか分からない以上、数字は言葉にはできませんが、けがをせずに長い間、活躍された山本昌さんのような選手を目指したい」。名大出身プロとして沸き起こる周囲の過熱をよそにしっかり足元を見つめていた。(金額は推定)

◆松田亘哲(まつだ・ひろあき)1997年(平9)5月16日、愛知県生まれ。小学校1年から中学までは野球に打ち込んだが、江南高ではバレー部でリベロ。名大入学とともに野球に復帰。1年秋に140キロをマークし、プロを意識。最速は148キロ。176センチ、80キロ。左投げ左打ち。