ソフトバンクにドラフト3位指名された東北福祉大(仙台6大学)津森宥紀投手(21=和歌山東)が26日、仙台市内のホテルで契約金6000万円、年俸1100万円(金額はすべて推定)で仮契約した。セットアッパーとして即戦力の期待を背負う。「ケンカ投法」を武器にする最速149キロの横手投げ右腕は、150キロの大台突破と将来の侍ジャパン入りも目標に掲げた。(金額は推定)

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3年連続日本一のソフトバンクに、期待の新戦力が誕生した。契約合意した津森は、福山龍太郎スカウトチーフ(43)と大学の先輩でもある作山和英スカウト(50)が持参したユニホームに袖を通し、「少しずつプロの世界に近づいている。1軍にいって中継ぎで1年間任せてもらえるピッチャーになりたい」と闘志を燃やした。

大学野球日本選手権に1年春から4年連続出場。昨春はエースとして、大学日本一に導いた。今秋は自身初の明治神宮野球大会出場し、初戦で強豪・東海大(首都)と対戦。最終回に味方が一挙4失策し無念のサヨナラ負けを喫した。しかし、7回から救援した津森は打者12人を無安打に抑え、3者連続を含む6三振を奪って輝きを放った。大学日本代表でも過去3大会に出場。国際試合6戦(計6回2/3)に救援し、防御率0・00の成績を残している。

死球も恐れない。打者の胸元を突く速球と手元で浮き上がるような球筋が持ち味だ。福山スカウトチーフは「うちにいない貴重な右サイド。ケンカ投法は勝ちゲームのセットアッパーむき。近い将来、大事な試合を任せられる即戦力になってほしい」と期待した。

入団後は「力強い投球を参考にしたい」とプロ6年目で通算ホールド96の先輩右腕・森唯斗(27)への弟子入りを志願。「体のケアや試合の入り方。モチベーションやコンディション作りを聞きたい」と救援投手の極意を追及する。

この日は、実家の和歌山から父正喜さん(46)と母悦子さん(49)も駆けつけた。正喜さんは「1年でも長く活躍してほしい」と期待を込めれば、孝行息子は「体を作ってキレを大事にしながらスピードも高めたい。西武のクリーンアップを抑えたい」と、すでに心はプロそのものだった。【佐々木雄高】