阪神藤川球児投手(39)がキャンプ5日目の「ワンデーキャプテン」を務め、珍ルール? を作り出した。

朝のウオーミングアップ前の投手ミーティング。輪の中心には笑みを浮かべた球児がいた。手には「笑」という文字がペンで書かれた白球。「明るくチームが1つになるならいいかなと」と、ボールを手にしている間は「絶対に笑っていないといけない」とユニークなルールを作った。青柳や浜地らへ次々と渡って笑顔の「継投」となった。

今季のスローガンは「It’s 勝笑 Time! オレがヤル」。矢野監督が「笑うことにはパワーがある」とメッセージを込めた。第1クール最終日で蓄積疲労もある中、藤川から投げ込まれた「笑ボール」が力を生んだ。「5日目でみんな疲れてたけど元気にやれたし、良かった」。目尻を下げて喜ぶ大先輩に対し、青柳や浜地らは「球児さんがそういうことをしてくださって。本当にありがたい」と感謝。投手陣は和やかな雰囲気で汗を流した。

この日は侍ジャパン稲葉監督が視察に訪れた。08年北京五輪の戦友だった藤川について「経験もあるし、これまでも成績も残している。今年もどれだけやってくれるのか。しっかり見ていきたい」と乗り越えた場数を評価した。本人は「シーズンを頑張ります」と話すにとどめたが、東京五輪代表に選出されれば投手陣最年長の可能性が高い。

福留も「ワンデーキャプテン」を務め、投打のベテランがビジターユニホームを身にまとってチームを鼓舞。藤川は藤浪にもアドバイスを送るなど、キャプテンシーを発揮した。「早めにやって、次からやる選手が頑張れるようにね」。第1クール最終日。背番号22がチームを1つにまとめた。【只松憲】

▽阪神金村投手コーチ(藤川が1日主将を務め)「今日は(第1クールで)一番盛り上がったんじゃない? 球児が積極的に声を出してくれて」