巨人戸郷翔征投手(20)が21日、都内の球団事務所で1950万円増の年俸2600万円で契約更改した。今季は、開幕から先発ローテを守り、菅野智之投手(31)に次ぐ9勝をマーク。300%増の評価を受けた。菅野のポスティングシステムでのメジャー移籍が実現すれば、開幕投手も視野に入る。目指すは投手陣の「柱」だ。(金額は推定)

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球春の景色を胸中だけにとどめた。21年3月26日、東京ドームでのDeNAとの開幕戦。戸郷は「まだ何も考えず。言われたら頑張りたい」とだけ言った。プロ入り2度目の契約交渉は300%増の年俸2600万円で更改。偉大な大エース菅野の背中を追い、ときに並走したシーズンを振り返り「勝ちを求められる中で勝てるのが素晴らしい。僕もなれれば」と誓った。

伸び盛りの本格派右腕は交渉の席で「来季は(菅野が)いてもいなくても柱になると思うから15勝を目指してくれ」と背中を押された。過去8年で6度の開幕投手を務めた菅野は今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指す。退団となれば、今季の先発陣で成績を考慮すれば戸郷とサンチェスが開幕投手の候補に挙がる。

球団の期待、直近の成績、勢いを加味すれば戸郷が最有力と言える。20歳での大役は過去、桑田真澄、宮国椋丞の2人だけ。ともに勝ち星はついておらず、開幕勝利投手となれば球団史上初の快挙にも手が届く。来季は相手打線も研究してくる。今季と同じでは通用しない。「それを打破できるように。日本一、そして僕は2ケタ勝利。15勝を」と臆することなく明確な目標を定めた。【久永壮真】