ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で、今季14号ソロを放って通算200本塁打を達成した。プロ野球110人目で、球団では17年松田が達成して以来。ペイペイドームでも通算100号と2つの節目が重なったが、チームは逆転負けして9年ぶりの交流戦負け越しが決まった。

柳田らしいアーチだった。4回無死、ヤクルト小川の外角高めチェンジアップを逃さなかった。「ここ最近力みがあったので、力を抜いて、丁寧に打つことを心掛けて打席に立ちました。いいスイングができました」。打球は左中間スタンドまで届いた。大台に王手をかけてから3試合ぶりの14号ソロ。プロ11年目で通算200本塁打に到達し「まさか自分がここまで打てるとは思いませんでした」と振り返った。

「ホームランが一番面白い」と本塁打を愛する一方で、「自分ではホームランバッターと思っていない」と謙虚に話す。15年のトリプルスリーや2度のリーグMVPなど強打者として数々の勲章を誇るが、自己最多は18年の36本塁打で本塁打王になったことがない。ただ、柳田は「33発とかでホームラン王になるより、40発で2位の方がうれしい」と、キングへのこだわりより自身を超えることを常に追い求めている。

今年1月の自主トレでは「打球の角度を考えて練習した。ホームランになる角度、それをどれだけ確率よく持っていけるか。感覚、イメージはできている。そこにどれだけたくさん持っていけるか」と、より本塁打が増える弾道を身につけようと励んだ。春季キャンプは両アキレス腱(けん)のコンディション不良でリハビリ組に回ったが、問題なく打撃練習をこなせたことで、より自分に向き合いバットを磨く時間になった。

節目の1本はチームの勝ちにはつながらず、心から喜べる記念日にはできなかった。チームの9年ぶり交流戦負け越しも決まった。主砲は「これからも積み重ねていけるように、まず次の1本を打つことを目標に頑張っていきます」と201本目を目指して、前を向いた。【山本大地】

▼通算200本塁打=柳田(ソフトバンク) 12日のヤクルト2回戦(ペイペイドーム)の4回、小川から今季14号を放って達成。プロ野球110人目。初本塁打は12年8月5日の西武15回戦(ヤフードーム)で松永から。柳田はペイペイドームで通算100号。同球場で100本塁打以上は松中154本、松田146本、小久保127本に次ぎ4人目。