首位阪神の守護神が崩された。1-1の9回。リーグ最多23セーブを誇るスアレスが2死満塁のピンチを招き、ヤクルトの代打攻勢に4失点を喫した。昨季のセーブ王に今季初黒星がつき、雨の甲子園にため息が充満。矢野燿大監督(52)は「勝負にいった結果。仕方ない」と受け止め、下降気配の打線を案じた。2位巨人が広島に逆転勝ちし、約2カ月ぶりに2ゲーム差まで迫られた。
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不動の守護神に今季初めて黒星がついた。スアレスは試合前まで防御率0・56。今季初の3連投で3日連続で9回を「0」で抑え、その裏の攻撃へつなぐはずだった。
1死一塁から4番村上にはチェンジアップでゴロを打たせ、二塁ベース寄りに守っていた遊撃手中野の正面へ。だが、村上の足が速く併殺は取れなかった。続くオスナに163キロを中前打、代打川端には外角へ大きく抜ける四球で2死満塁。左の代打宮本に低め160キロをコンパクトに当てられ三塁後方へポトリと落ちる適時打で2点を勝ち越された。
矢野監督は「こういうことも起こりうる。ここまでよくやってくれている。勝負にいった結果なんで、仕方がない」と責めなかったが、今季登板33試合目で初めて守護神をイニング途中で下げた。代わった馬場も流れを止められず、想定した「0」ではなく「5」が刻まれた。スアレスの途中降板、敗戦投手はともに昨年10月15日の中日戦以来だった。ここまで両リーグトップの23セーブ。首位を走る原動力の1人として完璧に仕事をしてきた右腕が崩された。
矢野監督は「打線が点を取れていない」と、打線の奮起を求めた。中でも中野は自己ワーストの6試合、22打席連続無安打と苦しむ。指揮官は「相手に研究され、体的にもしんどくなっているところ」と技術面ではなく体力面を心配した。また、佐藤輝も3打数無安打で19号から7試合1発が出ていない。6月25日DeNA戦からの甲子園6連戦は1勝4敗1分けで、この間は1試合平均2得点。1万人以上の虎党がスタンドを埋めるようになったが、なかなか喜ばすことができない。「打線の状態が下がることはあるけど、そういう選手が複数いるので我慢かな」と打線全体が下降気配にあると認めた。
2位巨人が勝ってゲーム差は4月27日以来の2に縮まった。その際は翌28日に1差に迫られた後、最大8差まで引き離している。これでシーズン折り返しの72試合を消化。東京五輪によるリーグ中断までは残り12試合。打線を復調させ、なんとか首位を守り抜きたいところだ。【石橋隆雄】
▼阪神がシーズン折り返しの今季72試合目を消化した。143試合制になった15年以降で、折り返し時点で首位に立ったのは15年(36勝35敗1分け)以来。同年は7月1日に2位巨人に1差(3位ヤクルトとも1差)で折り返した。その後も激しく首位争いを展開したが、9月半ば以降に失速。最終的には優勝したヤクルトに6差の3位に終わった。今季は2位巨人と2差でターン。後半戦も勢いを持続できるか。優勝した03、05年は首位ターンだが、85年は2位で折り返している。



