広島大道温貴投手(22)が7回0/3、2安打無失点の好投で4勝目を手にした。7回まで単打による1人の走者しか出さない完璧な内容。8回は先頭から安打と失策などで無死満塁として降板となった。2人の外国人投手が後続を断ち、9回は森浦が0封リレーを締めた。チームはヤクルト戦の連敗を8で止めた。

   ◇   ◇   ◇

大きく振りかぶり、新人大道は燕打線に真っ向勝負を挑んだ。立ち上がりからキレのある140キロ台中盤の真っすぐを中心に押した。「ストライクばかりいけていたので良かった」。ストライク先行の投球で、リズムに乗った。カーブで緩急をつけ、スプリットで奥行きを出し、そしてスライダーで芯を外す。7回まで許した走者は、単打の1人。8回無死満塁で降板も、中継ぎ陣がピンチを切り抜けた。7回0/3、2安打無失点。このカードの連敗を8で止めた。

「バードとコルニエルと大輔(森浦)が抑えてくれて結果完封だったので、投打がかみ合った試合になった。チーム的にもいい勝利だと思う」

憧れた神宮で躍動した。八戸学院大時代、北東北大学リーグ最多記録に並ぶ1試合18奪三振を記録した登板が、今につながっている。同リーグの強豪、富士大戦で初回に1失点したことで思い切って力を抜いてみた。「自分の中では軽く投げている感覚なのに、差し込めている。打者の反応が違った」。それまで抵抗感があった“力を抜いて投げる”ことを体で覚えた。

この日も、程よい力感で右腕をしならせた。体のキレを出すために登板前にストレッチをしたことも効果的だった。「感触は良かった」。8回は1死も取れなかったが、下は向かない。「全部が初めてなので。今日みたいに7回を投げ切れたのも、6回を投げ切れたのも初めて。どんどん進歩しているのかなと思う」。前向きな思考も、成長を促進させる。

新人右腕の力投に引っ張られるように、救援3投手も無失点で完封リレーとなった。佐々岡監督は「投げっぷりの良さというところが彼のいいところでもある。今日はちょっと逆球もあったけど、ストライク先行で真っすぐも変化球も球の強さがあったと思う」とたたえた。悪い流れを断ち切る勝利を上昇のきっかけとしたい。【前原淳】

▽広島坂倉(8回に3号ソロ)「良かったです。最近思い切って振れていなかったので、振っていこうかなと。(3本塁打すべて左方向で)何でですかね。たまたまだと思います」