さあ「佐藤輝祭り」が始まる! マイナビオールスターゲーム2021は第1戦が16日にメットライフドームで開催される。阪神佐藤輝明内野手(22)はファン投票でリーグ最多得票で選出され、全セの「2番左翼」で先発。新人左打者の歴代最多記録に並ぶ20本塁打を放つスラッガーはホームラン競争にも参戦。初球宴に向けたインタビューでは改めてアーチを誓い、球場全体での「Zポーズ」を願った。佐藤輝は17日の第2戦(楽天生命パーク)も「6番右翼」で先発する。【取材・構成=中野椋】

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佐藤輝にとって初めての球宴。まずは16日。ホームランダービーに登場する。マーティン(ロッテ)との1回戦へ向け「やり方をまだ分からないんで…。3分ですか? やったことないんでまだ分からないですね」と苦笑いした後、不敵に言った。

「やってみてのお楽しみって感じですね、本数は。ホームランバッターしかいないんで、負けないように頑張ります」

ひと足先に行われたメジャーのホームランダービーではエンゼルス大谷が28本。1回戦で敗退したが、球場を沸かせる姿をテレビでチェック。以前「次元が違う」と話していた、同じ右投げ左打ちのスラッガーのすごみを目の当たりにした。

「打球速度がやっぱり速いですよね。前に飛べば長打がすごい多くて、打てばホームランみたいなところはあるので、すごいなと。打球速度をもっと上げてもっとホームランを打ちたいので、どうやったら打てるのかなと、もちろん大谷選手のバッティングとかを見ながら考えています」

もちろんゲームでもアーチを目指す。本塁打を打ちたい投手は「記録を打ち立てた平良選手」。プロ野球記録の39試合連続無失点をマークした西武の右腕を挙げた。17日に第2戦の楽天生命パーク宮城では、祖父勲さんと祖母美智恵さんが交流戦に続いて観戦予定。豪腕との真っ向勝負で、再び目の前でアーチを届けるつもりだ。

「すごいピッチャーばっかりなので、ホームランを打てるように頑張ります。(祖父母に)せっかく見に来てもらえる少ないチャンスなので打ちたいです」

球宴といえば、過去には西武山川の「どすこい」やDeNA山崎の「ヤスアキジャンプ」など球団の垣根を越えて、選手もファンも一緒にパフォーマンスを楽しんできた。佐藤輝も思い描くは球場全体を巻き込んでの「Zポーズ」。大好きなももいろクローバーZのポーズで、ファンにもやってほしいかと問われて思わず笑顔になった。

「そうですね、どこに向かってやればいいのかは分からないですけど…。打ったらやるかも分からないです。まずホームランを打たないと始まらないのでそこから頑張ります」

ヤクルト村上や広島鈴木誠ら、他球団のスラッガーとも会話するチャンスがある。虎のスラッガーは意外な願望を明かした。

「車、何乗ってるか聞きたいですね(笑い)。野球の話も含め、いろんな話ができる少ないチャンスだと思うので。頑張って話していけたらいいかな」

球宴に向けて、色紙には自身の登場曲、ももクロの「吼えろ」にかけ“吼える”と意欲を記した。気合十分で埼玉・所沢市に乗り込む。

「周りがすごい人ばっかりなんで、緊張してしまうかもしれないですけど。プレーになったらそこはあまり関係ない。楽しめるようにやっていきたい」

豪快な1発をかっ飛ばし、佐藤輝明の球宴にする。

 

○…佐藤輝が青に染まる。球宴では用具提供を受けるミズノが、青色基調の「ダイバーシティーグラフィック」のグラブ、バット、手袋など特別仕様を用意。担当者は「選手と応援する全ての人の思いが融合することで、躍動する日本の一体感と沸き立つエネルギーを表現しています」と説明した。