先発に再転向し後半戦のローテ返り咲きを狙う阪神藤浪晋太郎投手(27)は、4回3安打2失点4奪三振だった。「2点は取られましたが、内容自体は良かったのかなと思いますし、結果以上に収穫のある内容だったと思います」。直球だけでなくカットボールなどの変化球でカウントを取れた内容に、手応えを感じた様子だった。

初回はこの日最速155キロをマークするなど、3者凡退と上々の立ち上がり。2-0の2回には、先頭の高浜にカットボールを右翼スタンドへ運ばれソロ本塁打を浴びたが、後続を3人で断った。

4回は自身の悪送球もからんで2死三塁とピンチを広げると、鳥谷に154キロ直球を中前に運ばれ2点目を失った。19年までともにプレーした鳥谷とはこの日が初対決だった。

「タイガース時代にはすごくお世話になった先輩ですし、野球面含め、いろいろなことを教わったので、対戦できることをすごく光栄に思いました。対戦を楽しむ余裕も今日は少し自分の中であったので、打たれはしましたが、投げることができて良かったです」。

2回の第1打席は左飛。第2打席でベテランの勝負強さを見せつけられたが、心のゆとりを持って久しぶりの“再会”を楽しんだようだ。

前日26日には、親交のある大野将平(29=旭化成)が、東京オリンピックの男子柔道73キロ級で金メダルを獲得。「リオでのオリンピック以降に交流を持たせていただいて、金メダルを取られた時はすごく感動しましたし、本当に刺激になりました」。五輪連覇を決めた勇姿に力ももらっていた。

この日は4月23日DeNA戦以来の1軍戦先発。今季はプロ9年目で開幕投手を務めたが、2軍降格を経験し、前半戦は中継ぎとして登板を重ねていた右腕。後半戦の先発ローテーションを目指して、アピールした。