始まったエキシビションマッチで、佐藤輝明外野手(22)がいきなり2発をぶちかました。まずは1回1死一塁。佐々木朗の初球、低めの155キロを左翼ポール際へ先制2ランを運んだ。同点の8回1死一塁は小野の153キロをバックスクリーン左へ、飛距離137メートルの特大決勝2ランだ。「五輪期間にいろいろチャレンジしていく中で結果が出た」。155キロの痛打はシーズン20発の中で最速球。不調で終わった前半戦は直球に差し込まれる場面もあった。コースは甘めでも課題の剛速球を打ち砕いたプラスは大きい。

この日から左手のバットの握りを変えた。小指を右手にかけるように合体していたが、5本でしっかり握るようにした。「より正確に、確率よくとらえるために必要じゃないかと試しています」。球宴で多くの一流からもらったヒントを生かし、復調につなげた。

登場曲も変えた。ももいろクローバーZの「吼えろ」ではなく、洋楽のEl Alfaの「A Correr los Lakers」。「意図は特になくて。エキシビションなんで。でも、ベンチ上のちっちゃい子に『何でももクロの曲ないの?』って言われたので、ちょっと考えます」。会心の笑顔が後半戦への手応えの表れだ。【石橋隆雄】