首位ロッテがメットライフドームを突破した。今季は田村、昨季が荻野が長期離脱となるケガをした場所。「応援がすごいし、守備でものまれる感じはあります」という藤岡裕大内野手(28)が3安打4打点で、18年5月11~13日以来のメットライフでのカード勝ち越しに貢献した。

やり返す。7回1死満塁、前日に3球三振で崩された西武武隈がマウンドに。「昨日やられて本当に悔しかったので」。6球費やしてフルカウントにし、最後の内角変化球を右翼線へ転がした。走者一掃で試合を決め、三塁上でベンチにこぶしを挙げた。

今年こそ。「接戦でも苦しい時でもしっかり戦えているのは、去年の経験があったから」と話す。昨季は終盤の大失速で優勝を逃した。51年ぶりリーグ1位を手にできるかは、残り24試合で決まる。マーティンが故障離脱し「今が踏ん張りどころ」と集中力はなおさらに高まっている。

「ここまで来れてるのはマーティンがいたからだと思うので。マーティンの穴は大きいですけど、こういう時こそチームで1つになって優勝するという強い気持ちを持って」

大砲不在でも、個が大きな束を作れるのがロッテだ。8番打者でも6番でも、遊撃でも三塁でも、藤岡は今や欠かせない中心戦力だ。28日からは2位オリックス3連戦。初戦の勝利で優勝マジック18が点灯する。「オリックスさんは本当に投手がいいので。少ないチャンスをものにして、何とか3つ取れるように」。鬼門に打ち勝ち、風向きは変わった。【金子真仁】