DeNA中井大介内野手(31)が20日、引退試合を行った。現役最終打席で安打を放ち、試合後はセレモニーを行った。以下が中井のスピーチ(抜粋)。両親への感謝を述べる際には声を詰まらせるなど、両チームのファンに感動を与えた。

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横浜DeNAベイスターズの球団関係者の皆様、本当にありがとうございます。僕に、この世界に入るきっかけを与えてくださった読売ジャイアンツにも、この場を借りてお礼を申し上げます。そして、試合後の遅い時間にもかかわらず、残ってくださったベイスターズファン、ジャイアンツファンの皆さま、本当にありがとうございます。

高校を卒業し、プロの世界に足を踏み入れ、1軍で初めて試合に出場したのが、ここ横浜スタジアムでした。その後、戦力外をへて、この横浜スタジアムを本拠地とする横浜DeNAベイスターズに移籍し、3年間ファンの皆さまの前でプレーし、今日選手として最後プレーする姿を見せられたことをとてもうれしく思っています。

14年間の現役生活では誇れるような成績を残すことはできませんでしたが、歴史と伝統あるジャイアンツ、これから歴史を築いていくベイスターズ。この2つの素晴らしい球団でプレーできたこと、この2つの球団を通じ、出会わせていただいた素晴らしい監督、コーチの方々、偉大な先輩、刺激をもらった同級生、頼もしい後輩たち、支えてくださったチームスタッフの皆様、大勢のファンの皆様。このすべての出会い、すべての経験のおかげで野球人、人として成長させていただけたことが現役生活の誇りであり、一番の財産です。

ベイスターズファンの、ジャイアンツファンの皆様の大きな声援を受けてプレーできる日々は、とても幸せな時間であり、その声援に野球選手としてのやりがいを感じ、心が折れそうな時も背中を押され、今日最後の1打席を迎えるまで、皆様の声援に後押しされながらやってきました。

今日のヒットで少しでもファンの皆さまに恩返しできたなら、僕の現役生活も大きな意味があったのかなと思います。選手としては今季限りで引退しますが、ファンの皆さまからいただいた温かい声援を胸に、今後の第2の人生も前を向いていきたいなと思います。

最後に両親と家族に感謝の思いを伝えさせてください。小学校1年生から(涙で声を詰まらせる)。すいません。小学校1年生から、今日まで約26年間、野球に打ち込むことができました。小さいころから、なに不自由なく野球をやらせてくれた両親。本当に感謝しています。ありがとうございました。

そして出会った時から今日まで一番近くで一緒に戦ってくれて、どんな時も一番の味方でいてくれた妻。自慢のパパでいたくて、日々エネルギーをくれた息子。本当に2人の存在が心強く、厳しいプロ野球の世界で頑張ることができました。本当にありがとうございます。今後の第2の人生も3人で一緒に歩んでいきましょう。人に恵まれて人に助けられてやってこられた14年間でした。今度は僕が誰かの力になれるよう、これから精いっぱいの努力をしていきたいと思います。本当に14年間、あたたかいご声援をありがとうございました。