ソフトバンクが交流戦首位のヤクルトに敗れ、3年ぶり9度目の優勝を逃した。エース千賀滉大投手(29)で勝てなかった。千賀は初回に坂口の適時打で先制点を献上。同点の4回無死では、昨年の東京五輪でチームメートだった村上に、左翼越えに勝ち越しソロを許した。外角低めへの157キロを左翼スタンドまで運ばれた衝撃的な1発に、千賀も思わず苦笑した。

結果的には、7回2失点で試合をつくる粘投だった。だが千賀にとって日本ハムとの開幕戦で石井に打たれて以来、10試合ぶり今季2本目の被本塁打が痛恨だった。「先発としてカードの初戦を任されているからには、もっと長いイニングを託してもらえるような投球をしないといけない。チームを勝たせることができず申し訳ない」。未勝利だったヤクルトに勝てず、11球団からの白星も逃した。

打線もヤクルト小川から再三、好機をつくったが、得点は初回に柳田の併殺打の間に挙げた1点のみ。2回1死一、三塁で甲斐がスクイズを2度ファウルにした後に併殺打を打つなど、立ち上がりに苦しむ相手を攻めきれなかった。藤本監督は「前半やね。5回までに先にリードしていきたいところでね、そういうところの失敗とか。後はチャンスでもう1本というところやね」と唇をかんだ。

残り2試合となった交流戦。指揮官は「まあ明日また、切り替えていきましょう」。交流戦Vはなくなったが、昨年日本一のヤクルト相手に一矢報いる。【山本大地】

○…ソフトバンク藤井が22試合ぶりに失点した。1点を追う8回に登板。先頭のヤクルト山田に左翼越えのソロ本塁打を浴びた。その後は3者連続で三振を奪ったが、接戦の中で手痛いダメ押し点となった。藤本監督は「1点差やったら(逆転の)チャンスがあると思っていってるわけですからね」。藤井は今季初登板だった3月26日に1失点して以降、無失点投球を続けていた。

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