しぶとく、粘っこく最強右腕の攻略をしていく。西武辻発彦監督(63)は佐々木朗へのイメージを高めた。22日ロッテ戦で対戦が予定され「当然、打って点を取るのが一番いいんだけど…」と理想を掲げるが、なかなか難しいのは承知の上。「やっぱり淡泊にならないように。早めに降ろすためには粘ることも必要だろう」と思い描いた。

同じ轍(てつ)を踏むわけにもいかない。18日にはオリックス山本にノーヒットノーランをくらった。ノーヒットノーランを献上するのは今季2度目の屈辱だった。山本には追い込まれる前に積極的に振った。ただ、結果的には102球で締められた。好球必打の基本は変わらない。ただ、最強クラスのピッチャーには「粘る」意識も強く持つ。

足を絡めた攻撃も思い描く。指揮官は「ランナーからプレッシャーをかけるのも必要。当然、動かすのも策になってくる」。揺さぶって、点につながる光を見いだす“予告”もした。

佐々木朗には4月3日の今季初対戦時、8回を99球3安打13三振の1得点に封じられた。その時から辻監督も、さらなる進化を実感する。「スライダーが多くなった」「クイックも早くなっている」と驚く。「まあ彼だって人間だからさ。好不調もあるだろう」。少ないであろう好機を生かしていく。【上田悠太】