恩師にささげる2本のアーチだった。オリックス中川圭太内野手(26)が、自身初の1試合2発を放ち、7日に74歳で亡くなった、東洋大時代の恩師・高橋昭雄前監督に感謝の気持ちを込めた。

「僕の今があるのは大学の4年間。教わったのは3年間ですけど、その期間がすごく大きい。今の打撃は高橋監督から教わったこと全てだと思う。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

4回に先制5号ソロ、8回にはレフトへ6号ソロを放つと、一塁側ベンチ前で、上空を見上げて祈った。「天国から監督さんが見守っててくださったおかげ。お前のバットでチームに勝利を。勝たせてみろ!と、ずっと言われていました。今もそういう気持ちでやっている」。言葉にも力がこもった。

この日はPL学園の先輩である中日福留が引退を発表。「大先輩すぎて…。なんて言ったらいいのかわからない」と言葉に悩んだ。「ファームでは『なにしてんねん』という言葉もかけてくださった。いろんな記録、記憶に残るプレーがある。そういう方の後輩で誇りに思います」と背中を追う。

連敗を2で止め、貯金7。ソフトバンクが敗れたため、首位とは再びゲーム差なしの大混戦だ。中嶋監督は「ほんとに全部の試合(が大事)になると思う」と勝ってかぶとの緒を締めた。残りは15試合。昨季王者が逆転での連覇を狙い、最後まで、歯を食いしばる。【真柴健】

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