望みをつないだ。広島がCS進出を争う阪神との接戦を制した。移動試合となった阪神戦(甲子園)は、前日20日の中日戦(マツダスタジアム)に続く延長戦となった。4-4の11回に、打者一巡の猛攻で6得点。総力戦となった熱戦に終止符を打った。直接対決を制して、3位巨人を1ゲーム差で追走する。

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我慢して、我慢して、延長11回に広島打線が爆発した。4-4で迎えた11回。相手のミスに乗じて満塁の好機をつくると、上本、菊池涼が続けて左前適時打で2点を勝ち越した。なおも満塁から西川が中堅頭上を襲う2点適時二塁打。マクブルームも2点打で続いた。3回以降、8イニング連続無得点。3併殺と悪い流れを集中打で一気に試合を決めた。

執念で逆転CSに望みをつないだ。2点ビハインドの2回。先頭坂倉がカウント2-2から内角ツーシームにうまくバットを振り抜き、右翼席に放り込んだ。7戦ぶり1発が打線に火を付けた。会沢が中前打で続き、小園は初球の浮いたカットボールを強振。バックスクリーンにたたき込んだ。「自分のスイングでしっかり捉えることが出来ました。逆転できて良かったです」。8月10日ヤクルト戦以来の7号逆転2ランで、先発復帰した9日ヤクルト戦から9試合連続安打とした。さらに2四球と安打で満塁とし、先発伊藤将をマウンドから引きずり下ろした。

リーグトップの防御率を誇る阪神相手に、広島中継ぎ陣が食らい付いた。6回に2番手森浦が2死から梅野に1発を浴びたものの、6回から6投手がバトンをつないだ。CS争いに加えて糸井引退試合も重なり、1球1打に大歓声があがる敵地で、中継ぎ勝負の展開で1歩も引かなかった。走者を出しながらも無失点でバトンをつなぎ、延長11回の大量得点に導いた。

阪神との直接対決を制し、3位巨人を1ゲーム差で追走する。残り4試合はすべて本拠地マツダスタジアム。地元ファンの応援を背に、逆転CSに望みをつないでいく。【前原淳】

○…広島西川の連続打席出塁は「11」で止まった。8打席連続出塁で試合に入り、四球、左前打、左前打とつないだが、7回1死の第4打席でケラーに三ゴロに打ち取られた。日本記録は13年に広瀬純(広島)がマークした15打席連続。記録こそ止まったが、西川は6戦連続複数安打とし、連続試合安打は「9」に伸ばした。

▽広島上本(延長11回1死満塁から決勝打)「みんなが必死こいてつないでくれたので、ここで(走者を)かえさないと男じゃないなと思って必死で食らいつきました。僕も含め、みんな必死なので良かったです」。

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