ギータ不在の危機に、2019年ドラフト1位が走攻守で恩返しだ。ソフトバンク佐藤直樹外野手(25)が、支配下復帰即「1番中堅」で先発出場。0-0の3回に先制のホームを踏み、4回には右前打を放った。1盗塁も決め、守備では好捕も披露。自主トレをともにした柳田がシーズン復帰はほぼ絶望的な全治4カ月の診断を受け、チームの大ピンチに育成からはい上がった男が奮起。3カードぶりの勝ち越しで主催ゲーム11連勝とし、本拠地9連勝を飾った。
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鷹党からの大歓声を受け、佐藤直はこみ上げるものを懸命に堪えた。「何かちょっと。泣きそうじゃないですけど。ファンの大歓声を聞いて『幸せやなぁ~』って」。懐かしい本拠地のお立ち台。背番号3桁からはい上がった苦労人は、無数のフラッシュを浴びた。
出番は突然、巡ってきた。5月31日の広島戦で、柳田が全治まで約4カ月の大けが。主軸の長期離脱に、佐藤直の支配下再登録が急きょ決まった。さらに「1番中堅」でスタメンに抜てき。0-0の3回無死で放った遊撃へのゴロが敵失を誘い、二塁へ。続く今宮の右前へのポテン打に佐藤直は快足を飛ばし、先制のホームイン。貴重な1点を挙げた。
4回2死一塁では、今季初安打となる右前打。広島玉村の外角高めチェンジアップを流し打った。「(プロ)初ヒットの時よりもうれしい気持ちです」と、安打にした記念球まで手にした。小久保監督も「今年は新たな佐藤直樹として再スタートのイメージの右前ヒット。非常に良かったと思います」。1盗塁も決め、5回の守備では先頭・末包の飛球をグラウンドすれすれで好捕。19年ドラフト1位が走攻守で躍動した。
「ギータさんに恩返ししたい気持ちで」と明かした。柳田は尊敬する先輩。昨年に戦力外通告を受け、育成で再出発することになった。「人として成長していかないといけない」と決め、オフは柳田に初めて弟子入りを志願。約1カ月の自主トレ期間、技術面も含めて先輩を質問攻め。意識することは「真っすぐをどこに打つか」。打席内では大振りを捨て、シンプルな思考を貫くことを学んだ。
ラインで、柳田に「柳田塾のおかげで支配下登録されることができました」と送った。柳田から「これはお前が頑張ったからじゃけぇ」と、広島弁の“ギータ節”で祝福された。「育成になった時の気持ちを忘れず。悔いのないように」と全力を尽くし、ホークスの底力を見せた。【佐藤究】



