白鵬の内弟子、西三段目18枚目炎鵬(18=宮城野)が、同20枚目本多を下して、初土俵から20連勝を飾った。史上6位タイの記録だが、協会関係者は頭を悩ませていた。1位は元小結板井の29連勝で、前相撲の3勝が含まれている。炎鵬には前相撲の2勝が含まれていない。初土俵からの連勝記録者が出る度に「なぜか?」と問い合わせがあるという。答えはこうだ。

 前相撲は新弟子検査に合格した力士が、本場所で相撲を取ること。現在は、中日に行われる新序出世披露の順番決めの役割があり、1人が1日に2番取ることもある“非公式戦”だ。

 しかし、73~86年は特定の場所を除き、今と違って取組表に前相撲が載り、1人1日1番。成績を伸ばした力士は中日以降に、序ノ口力士と相撲を取っていたこともあり、“公式戦”扱い。板井は、この時期に前相撲を取っていたので3勝が含まれる。炎鵬は29連勝について「無理ですよ」と苦笑い。協会関係者は「すぱっと記録を抜いてもらいたい」と期待する。3勝の差は大きいが、それに負けじと炎鵬は突き進む。【佐々木隆史】