初代タイガーマスクの佐山サトル(63)が22日、19年9月以来となるリングに立った。

23日にデビュー40周年を迎える初代タイガーマスクの記念大会第1弾「ストロングスタイルプロレス後楽園大会」に登場し、元気な姿を見せた。「体調が良くなかった」と言いつつも、車いすもつえも使わず、軽やかな足取りでリングに上がった。「気持ち良かった。みなさんと一緒にお祝いしたい」と熱く語った。

レジェンドたちもビデオメッセージでお祝いした。長州は「以前は連絡し合ってごはんを食べに行く仲だった。今は心配しているが、タイガーマスクは病気にも負けない。1日も早くリングでお会いしたい」とコメント。藤波は「4次元殺法。あなたの動きが大好きだった。またいろんなところで夢を与えて欲しい」とエールを送った。

佐山は15年に狭心症と診断され、心臓を手術。16年に復帰するも昨年再び体調を崩し、リングからは離れていた。昨春のアントニオ猪木(78)の同窓会も欠席していたが、現在は自力で歩行できるまで回復。日刊スポーツの取材にも「日によって変わるが、暖かくなれば大丈夫」と笑顔を見せていた。

今後もストロングスタイルの魂を継承していく。「力道山先生、猪木さん、藤波さん、長州さん、私によって作られた。このナチュラルな試合を世界に広げて、最高のプロレスを作っていきたい。僕らがやっていかないといけない」と決意を語った。

「基本の技をしっかり身に付け、リング上で表現する。そこにリアリズムがあってそれを追求する」。現役時代は練習不足でリングに上がれば、パフォーマンスの低下を観客から見抜かれた。「基本も知らずにやっているとヤジを飛ばされ、殺気や緊張感もあった。お客さんを引きつけるプロレスをしていかないと先輩に怒られた」と話した。もちろん、現在のプロレスを否定しているのではない。「分かってくれる人もたくさんいる。技も複雑になっていて、作り上げていくのは大変。そんな中で殺気を見せていけたら素晴らしい試合になる」と語る。

この日はかなわなかったが、いずれはコーナーポストに上ることも考えているという。「高さを調べようと思ったけど、できなかった。いつか上がることを夢見て頑張ろうと思う」。40周年記念第1弾の今大会を無事に終えた。今後はすでに7月と10月の2大会が予定されている。ストロングスタイルを受け継いでいくため、これからもリングに立ち続ける。【松熊洋介】

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