K-1の元3階級制覇王者・武尊(31)が、復帰戦をKO勝利で飾った。
空位だったISKAのK-1ルール世界61キロ級のベルトを奪取。ISKA世界スーパーライト級(63・5キロ)王者の“ブリティッシュ・ブルドッグ”ベイリー・サグデン(25=英国)との打ち合いを制した。異国の地での決戦。ABEMA PPVで独占生中継された中、日本を代表し、世界に武尊を見せつけた。
「ナチュラル・ボーン・クラッシャー」。気付けば、そんな風に呼ばれるようになった。生まれながらの壊し屋という異名。名の通り、幾度も相手を粉砕してきた。ただ、生まれながらの天才ではないと否定する。「僕は天才ではない。空手は小学校低学年から始めて、中学校までやっていたけど、優勝は1回もない。ほぼ1回戦負け。運動テストも平均。足もそんなに速くないし、でも、そういう人間でも努力すれば世界チャンピオンになれる」。努力の人間だと言う。
今や数え切れないほどのトロフィー、盾が手元にある。ただ、慢心することなどなかった。「格闘技、才能あると思っていなかった。Krush、K-1のチャンピオンになって、こう上がっていく度に、努力すれば、才能ある人を超えられると実感していた。僕より運動神経高い人、技術高い人はたくさんいた。僕は努力、気持ちの部分なので」。がむしゃらに、汗を流してきた。
数ある名の中で、「カリスマ」はしっくり来ている。「僕は天才的な動きが出来る訳ではない。本当に全力でやるだけ。だからこそ、カリスマは、天才とは違った意味ではないかなと思っている。苦しい姿も見せるし、天才的に物事を全部やっている訳ではないし、挫折もあったし、そういうのがあるからこそ、人間味だったり、そういう風に言われると思う」。完璧な姿だけではなく、不格好な部分も見せてきた。
あの日もそう。昨年6月19日の「THE MATCH 2022」。那須川天心の前に、判定負けを喫した。その直後、人目をはばからず、涙を流した。大号泣だった。それが、武尊の言う、隠さない姿だった。「負けたままで終われない」。敗者の肩書から1年が経過した。努力を止めることがないからこそ、またかみしめられたこの味。武尊は勝利が似合う。カリスマの帰還だ。
<ラウンドVTR>
▽1回=サグデンが手数で上回った。左のジャブで武尊の顔面を捉えると、コンビネーションで打ち込んだ。武尊も負けじと回し蹴り。インローへのキックなどダメージを蓄積させた。
▽2回=武尊は終始、笑いながらキックを中心に攻撃を展開。サグデンはジャブを有効的に使い、要所で連打を浴びせた。
▽3回=サグデンの急襲を受けた中、武尊が反撃。ボディーを執拗に攻め続け、左のミドルキックからパンチを連打し、ダウンを奪った。さらに左ミドルキックで2度目のダウンを奪った。
▽4回=武尊が、左のミドルキックで、サグデンのボディーを何度も狙い打ち。ダメージを蓄積したサグデンは攻撃の手が減少。武尊がコーナーに追いやり、パンチの連打で、この試合3度目のダウンを奪った。
▽5回=武尊がサグデンをつかんだとして、減点1を食らった。その後、武尊はサグデンをコーナーに追いやり、パンチラッシュでスタンディングダウンを奪い、4回目のダウンを奪った。フラフラの状態のサグデンはそれでも打ち返していたが、最後は武尊が左のハイキックで完全にKO勝利。これまでKO負けのないサグデンをリングに沈めた。
【動画】武尊、復帰戦勝利後ロッタン戦に言及「倒しにいきたいと思います!」

