ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が「キャリア最大の強敵」攻略のイメージをつくり上げた。9月14日、名古屋のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との防衛戦を控え、21日に横浜市の所属ジムで10回のスパーリングを消化したと22日、所属ジムから発表された。23年4月にアフマダリエフを倒している元2団体統一同級王者マーロン・タパレス(33=フィリピン)の情報提供もあり、アフマダリエフ撃破への手応えを示した。
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変幻自在に井上が動いた。最初の5回、好戦的な元WBAスーパー、IBF同級統一王者タパレスの接近戦に得意な距離を保ちつつ、左フック、右強打で後退させた。続く5回は「鉄の拳」東洋太平洋フェザー級王者中野幹士(30=帝拳)の破壊力あるパンチに対抗しながら隙をみせずに足を使って好打を狙った。
今回の調整で最長となる10回のスパーリングを消化した井上は「予定通りの10回。イメージ通りにできた」と及第点を出した。試合まで約3週間となり、疲労もピークに達している。本格的な減量時期に入った中でパンチ力ある2人との実戦練習だった。所属ジムの大橋秀行会長(60)は「疲れを感じさせない出来」と合格点を出した。
先月21日から練習パートナーとして来日中のタパレスは23年4月、アフマダリエフを判定で撃破。同年12月に井上がタパレスを10回KO撃破した関係にある。タパレスからアフマダリエフ対策の情報提供があったという井上は「対戦した時の話も聞いて自分自身のイメージも膨らんできましたね」と自信を示した。
またWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者村田昴(28)、同フェザー級王者藤田健児(31)、日本バンタム級王者増田陸(27=すべて帝拳)と世界ランク入りする日本&アジア王者ともスパーリングを消化してきた。井上は「アフマダリエフは1つのボクシングスタイルではない。足も使えるし攻撃もできるので、みんなイメージしやすい」と感謝した。
自身初となる首都圏以外での世界戦で「キャリア最大の強敵」と位置づけるアフマダリエフとの防衛戦となる。井上は「いつも通りに順調。変わらずに仕上げてく」と着々と準備を進めている。【藤中栄二】

