西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が、16場所ぶりに復帰した苦しかった再入幕場所を、連勝で締めた。

最後の一番は、十両の琴勇輝(佐渡ケ嶽)と対戦。持ち前の強烈な突き押しで突進する琴勇輝の、突き上げるような左ノド輪押しにも、懸命に踏ん張ってしのぎ、その左腕をあてがいながら振り払い、その左が大きく開いた脇をついて反撃。休まず出て押し出した。

5勝10敗に終わったが来場所は、1場所での再入幕が十分可能な、十両上位に踏みとどまりそうだ。「アゴは上がっても下がるのは良くないけど、上げても出れば相手の手が伸びきってノド輪も効かなくなる。前へ前へのイメージで取ったのが良かった」と会心の相撲を振り返り、来場所へも目を向けた。「これで(十両に)下がるのも、それほど(落ちるほど)でもないし、来場所しっかり調整して幕内に挑戦できる体作りをして、必ず(幕内に)戻って勝負したい」。稽古量が「ちょっと少なかったかな」という調整法を見直して、常に“単なる通過点”だった来場所の十両の土俵で本領を発揮する。