米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに突入して10日がたちましたが、ネットフリックスやアマゾンなど配信大手や映画スタジオが所属する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との交渉再開のめどは立っておらず、来年までストが続く可能性も取り沙汰され始めています。待遇改善や公平な利益の分配、人工知能(AI)の規制などを求めた交渉が決裂し、43年ぶりとなるストに入ったことでトム・クルーズが「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」での来日が中止になるなど、世界的にも影響が出ています。

16万人と言われる組合員はスト中、撮影や宣伝活動に参加することが禁じられていますが、例外としてAMPTPとは関係のない独立系の作品への出演などは認められているといいます。ストライキの影響で撮影がストップしている作品と、製作が許可された作品を紹介します。

ストライキによって製作が中断されたことが報じられている作品は以下。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO

シリーズ史上初の2部作となった「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」の続編「PART TWO」は、大半の撮影を終えていたものの「PART ONE」のプロモーションで中断されていた撮影が再開できなくなっています。宣伝のため世界中を飛び回っていたクルーズをはじめとするキャストやクリストファー・マッカリー監督は、来日後に撮影を再開させる予定でしたが、スト入りしたことで撮影は中断されたままです。

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.

ビートルジュース2

英ロンドンでの撮影を終えたティム・バートン監督がメガホンを取るヒット作「ビートルジュース」(1988年)の続編も、ストの影響を受けたと言われています。ほぼ全てのシーンの撮影が終了し、残すは米バーモント州での最後の撮影だけという段階で、スト入りしたことで、クランクアップを前に撮影はストップしたと伝えられています。

デッドプール3

ライアン・レイノルズ主演でマーベルコミックを映画化した「デッドプール」シリーズ第3弾は、ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役で復帰することで話題になっていますが、こちらも英国での撮影が中断されています。

グラディエーター2

作品賞を含むアカデミー賞5部門に輝いた「グラディエーター」(00年)は、来年11月の全米公開が決まり、3分の2ほど撮影を終えたところで中断されたと伝えられています。

Juror No.2

クリント・イーストウッド監督がメガホンを取り、ニコラス・ケイジが主演する殺人裁判を題材にした法廷劇は、ジョージア州サバンナで撮影中でしたが、中断を余儀なくされています。

ウィキッド

ブロードウェーの人気ミュージカルを2部作で映画化した「ウィキッド」は、撮影が残すところ10日間となった時点でスト入りしたと伝えられています。

一方で、スト中も撮影が認められている作品もいくつかあります。

マシュー・マコノヒー主演の「The Rivals of Amziah King」やマーク・ウォールバーグ主演でメル・ギブソンがメガホンを取る新作「Fighting Risk」、アン・ハサウェイとミカエラ・コール主演の「Mother Mary」、ジェナ・オルテガとポール・ラッド主演の「Death of a Unicorn」などの独立系作品が、AMPTPとは関連がないことから撮影が承認されたと伝えられています。

また、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚にあたる「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」も、出演する俳優が主に英国人で、SAG-AFTRAとは別の英国の組合下で働いているため、スト中も撮影が継続していると伝えられています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)