11日午後10時、SMAPの元メンバー5人がテレビのプライムタイムを席巻し、どのチャンネルもSMAPという“奇跡の裏かぶり”にSNSが沸いた。この日が、彼らが解散するまで、そして解散後も寄り添い続けてきた東日本大震災の「3・11」だったことも、しみじみと感慨深い。
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「SMAP大集合」のトップバッターは中居正広だった。WBC侍ジャパン公認サポートキャプテンとして、午後6時半から放送されたテレビ朝日「WBC日本対チェコ」にリポーターとして登場。豊富な野球知識と野球愛、的確な表現力で今や選手に一目も二目も置かれる存在としてさまざまな独自情報を引き出し、野球の魅力を伝えた。
フジテレビでは、午後9時から木村拓哉の主演映画「HERO」(15年)を放送。木村主演の4月新ドラマ「風間公親-教場0-」(4月10日スタート、月曜午後9時)を前に、木村の大ヒットコンテンツが放送された。
ここに、午後10時からNHK Eテレ「ワルイコあつまれ」(土曜10時)の放送が始まり、レギュラーの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が登場。同番組が放送された30分の間、5人の元メンバーが週末のプライムタイムを席巻した。SNSでは「5人が各局でそろっちゃうSMAP最強」「こんなんSMAP祭りじゃん」「局は違うけどうれしい」など続々と反響が寄せられた。
中でも個人的に印象に残ったのは、この日が「3・11」だったことへの感慨と、「3・11の裏かぶりに意味がある」とする投稿が多く寄せられたことだ。
SMAPほど長く被災地に心を寄せてきたグループはいない。震災後初めての放送となった「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)11年3月21日の生放送では、「自分たちに何ができるのか」を考え、以来、番組のエンディングで「皆さまからの応援が必要です」「よろしくお願いします」と頭を下げて義援金を募ってきた。
お願い映像の使い回しはせず、歌収録で5人そろうたびに撮り直し、常に最新の気持ちで募金を呼びかけてきた。5年間1度も欠かすことなく続けられ、16年12月26日の最終回も、エンディングは5人そろって「よろしくお願いします」と一礼する姿だった。
当たり前のようにやっていたけれど、さまざまな人の損得勘定が交錯するテレビ業界ではまず実現しないことだ。何をやっても「偽善」という人はいるし、華やかな番組の最後にシリアスな締めというのもバラエティーの定石からは浮く。発言力のないタレントには通せない話で、タレントが本気でなければ続かない。すべてSMAPだからできたことだと思う。
そんな彼らの姿を記憶している人も多く、SNSでは「SMAPが心を寄せている3・11。きっと偶然じゃない」「SMAPからのメッセージ」「いつまでも寄り添うSMAPらしい」「今でも別々の場所から募金活動してくれてる」などの反響が多く寄せられた。
ちなみに、「ワルイコあつまれ」では「こども記者会見」のコーナーで東日本大震災をテーマに取り上げ、子ども向けバラエティーの手法で被災地の今を伝えていた。中居も、ちょうど3・11と重なったニッポン放送「中居正広ON&ON AIR」(土曜午後11時)で東日本大震災SPを放送した。
奇跡の裏かぶりには仕掛け人がいるのでは、というツイートも散見されたが、もともとWBCの放送枠は22時まで。枠内で試合が終わっていれば「サタデーステーション」にずれ込むことはなく、裏かぶりは実現していなかった。WBCの放送延長あっての奇跡で、こういう握力、話題性もSMAPらしい。
こんな裏かぶりが実現するのも、5人が変わらずテレビで求められ、活躍しているからこそ。これまでの努力と、もともと特別なオンリーワンの意味に圧倒されるばかりである。
【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)





