NHK連続テレビ小説「半分、青い。」の脚本を手がける北川悦吏子氏が、物議をかもしている劇中のシーンについて思いを明かした。

 1日に放送された第105話では、ヒロインの鈴愛(永野芽郁)が、映画製作への夢をあきらめきれない夫の涼次(間宮祥太朗)から「退路を断ちたい」「家族は邪魔になる」と離婚を切り出され、「死んでくれ……死んでくれ涼ちゃん。そうしたら許してあげるよ。別れてあげるよ」と発言するシーンが描かれた。

 このシーンはネット上で賛否を呼び、鈴愛と涼次のどちらに共感するかによって意見が分かれた。自分の夢のために家族を捨てる道を選ぼうとする涼次に対する批判の声は多いが、北川氏は1日深夜更新のツイッターで「物を創ることに憑かれた人が負う、罪、というのもが、私はあると感じているのです。社会性、とか人間性、ということとは、別のパワーと思って」と持論を展開。「私の回りの、本物のクリエーターたちは、やはり、家族を持つことが出来なかったんです。それは、どうしてか、っていうと、『孤独』で『ひとり』でないと、立ち上がらないものがある、と私なんかは思います」との考えを示した。

 また、同作の脚本に打ち込む北川氏自身も「この一年半、私は家族を捨ててたのも同然です。なにも関知しなかった。そうじゃないと書けなかった。こんなハンパな作家の私ですら、そうなんです」という。「友人の脚本家もやはり、別居しました。物を創るって、隣にいる人からしたら、『罪』なんだ、と思っています。そしてその本人も辛い。創るだけでつらい」と自身らの体験をつづって問題のシーンを解説。ネット上で議論が巻き起こっていることについては「狙ってないですよ。必死で書いてただけです」とした。