昨年の大みそかは、実家でゆっくりとテレビを見た。

NHK「紅白歌合戦」と日本テレビ「ガキの使い!大晦日年越しSP絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス」、フジテレビ「RIZIN.26」をザッピングしながら見ていた。最初は居間にある大きなテレビで見ていたのだが、89歳になる母親は「ガキ使」や「RIZIN」に替えると渋い顔をする。

昭和の専業主婦にとって、大みそかの夜は家族そろって紅白を見るものであって、紅白取材はさておき家で過ごす息子にも、そのルールは適用された。お笑いや格闘技を見るのも仕事の一環だと説明するのもめんどくさいので、さっさと自室に引き揚げた。

ということで、スマホにアンテナを付けてテレビを見た。嵐の出演が終わった後の紅白は虚脱感があったし、ワンチャン渡部建が映るかもと思った「ガキ使」も途中からお笑い第7世代を入れたクイズとかが入ってちょっと拍子抜けした。唯一、「RIZIN.26」のメインイベントで元王者の堀口恭司が、現王者の朝倉海にリベンジしたのはびっくりした。次への期待も、一格闘技ファンとして大きく膨らんだ。

「ガキ使」と「RIZIN.26」は、放送後にゆっくりとチェックしなおしたのだが、そのどれもがテレビやパソコンではなくスマホを使ってのもの。

気が付けばテレビ、ラジオ、映画、電話連絡、メールチェックの全てをスマホでやっていた。「テレビを見る」「映画を見る」「YouTubeを見る」「メールを書く」「電話をかける」も全て「スマホを使う」という言葉に集約されていた。

スマホを使ってエンターテインメントを楽しむ一方で、新型コロナウイルスの猛威は収まらない。多くの現場で仕事始めとなった今日4日も、舞台関係者からライブステージの中止の知らせが届いた。

昨年2月末からの新型コロナウイルスによる自粛、公演中止が続いたエンタメ業界。昨年11月からは、安全対策を取った上での公演が徐々に解禁されてきたが、世間は再びコロナの脅威にさらされている。

もう少しはライブを我慢する必要がありそうだ。しばらくはスマホを使って配信でエンタメを楽しもうと思う。