人気お笑いコンビ、さらば青春の光の森田哲矢(40)らで結成したフィンランド発祥のスポーツ、モルックのチーム「キングオブモルック」が17日、フランスで行われる3年ぶり2度目の世界大会出場へ向けた出発前に取材に応じ、意気込みを語った。

前回大会はチーム戦で2次予選敗退(79位)。今回は前回も出場した、芸人仲間のみなみかわ(39)とカナイ(35)に、新戦力としてラブレターズの溜口佑太朗(37)を加えた4人で臨む。森田は「最低でも前回を超えて、優勝を狙います。今回はルールが変わって、7チーム総当たりの1次予選で1位になれば3次予選に飛び級で進める。そこも狙いたい」と力を込めた。

モルックは12本の木の棒(スキットル)に3~4メートル離れた場所から木製のピン(モルック)を順番に投げ、倒した本数などで得た得点をちょうど50点にする速さを競う競技。初めて世界の舞台に立った前回は外国人のリーチの長いパワフルな投げなどを目の当たりにし「簡単に投げているように見える。うまいところはミスもしない」と世界レベルを体感した。

あれから3年。チームはモルックで冠番組を持つなど活躍を続け、森田は21年6月に日本モルック協会公式アンバサダーにも就任した。「あの時より基本的な技術は向上していると思う」と自信をみせ、ルールに沿った頭脳プレーができるところが日本人の良さであると語った。「いかに相手の邪魔をするか。日本人は相手の上がり(これを倒したら勝ち)スキットルを見て、それを倒させないようにする、わびさびのきいたプレーができる。そうすると外国人はイライラしてきて、前回も怒っている人がいました。いかに相手の圧に負けずに邪魔をするかですね」。

一方で、チームメートはそんなリーダー森田のメンタル面についても指摘。みなみかわは「リーダーがどれだけチームに寛容かどうか。前回は結構イライラしてチームを乱す時があった」と振り返り、カナイも「ミスした人にドンマイと言える空気作りが大事ですね。(森田は)外した時に気候のせいにしたりしていたので、そこをどう押さえ込むか」と笑わせた。

本業でキングオブコント準々決勝を戦ってすぐに出発となった溜口は、森田らが行う練習会で実力を見いだされてチームに加わった。「フランスで(キングオブコント準々決勝の)結果が出るので楽しみです」と語り、チームでは「新人への扱いがちょっと」とクレームも入れて笑わせた。競技では投げたモルックは自分たちで拾い、倒れたスキットルも立てなければならない。その役回りなどを任されることが多いという。説明を求められた森田は、前回大会でトルコチームが全く拾いに行かず、自分たちのみが行って体力を消耗した経験を引き合いに出し「そんな風になってほしくないので。まずは体で教え込ませるということで」と語って再び笑わせた。

今回は世界14カ国から168チームが参加予定。日本からは渡航費などの参加費用を出せれば出場可能で、3年ぶりの開催となる今回は出場チームが前回の4チームから13チームへと増えた。森田は「反響は増えてきている」と前回はクラウドファンディングで渡航費を集めたキングオブモルックも、今回はスポンサー3社からの出資を受けてフランスへ向かう。イスタンブール経由で会場のサモエンヌに近いスイス・ジュネーブから車で現地入りするといい、ロストバゲージを恐れて手荷物は預けずに大きめのリュックに詰めた。練習用モルックも持参するが、かさばるため3本ずつに手分けして運ぶ。

森田は相方の東ブクロについて、大会に誘ったものの断られたと明かし「海外がまず嫌いみたいなので。言葉の通じないところに行く意味がわからないって、普段寡黙な男が言っています。日本でもあんましゃべらんやないか」と突っ込んで笑いを誘った。

モルック世界大会は18日から始まり、キングオブモルックは20日、21日のメイントーナメントに出場し、23日に帰国予定となっている。 【松尾幸之介】