4人組ロックバンド、クリープハイプと、お笑いコンビ、ニューヨークが3日、東京・豊洲PITで初ツーマンライブ「ニューヨークリープハイプ」を行った。

それぞれのパートではニューヨークがクリープハイプの「HE IS MINE」中のあおりに登場したほか、クリープハイプの尾崎世界観(38)がコントに参加するなどして盛り上げた。終盤には2019年M-1グランプリでニューヨークが披露した歌ネタの歌詞や題名を共に考えるコーナーを設け、最後はクリープハイプの演奏をバックに、ニューヨークの嶋佐和也(36)がTBS系「ラヴィット!」で披露した英国のロックバンド、オアシスの「Don't Look Back in Anger」を全員で披露。チケット完売で埋まる会場を熱狂させた。

最初はニューヨークのコントで幕開けし、クリープハイプのステージへバトンタッチ。「ナイトオンザプラネット」など12曲を約1時間かけて披露した。尾崎は「無事に開催されてすごくうれしく思っています。どんなに微妙な感じになっても(この後)笑える空間にしてもらえると気が楽で。毎回ニューヨークと一緒がいいなと思ってます」と語って笑わせた。

クリープハイプがいったんステージを降りると、ニューヨークの出番へ。温まった会場ではタオルを振るファンの姿もみられ、大きな拍手が巻き起こった。屋敷は「いやー、とんでもないライブしてますね。みなさんちょっと落ち着いて、冷静にいきましょう」となだめ、嶋佐は「今、舞台袖で見ていて、クリープハイプあるあるを見つけました」と切り出し「尾崎さん、マイクの位置高い。結構つま先立ちして歌ってた。あれ、ふくらはぎの筋肉やばいぞ。足つらないかなと思ってみてた」と語り、会場は爆笑。屋敷も「俺もあるで。尾崎さんの最後の『ひゃぁ~』みたいな高い叫び声から(締めの)『ありがとう』って低い声になるところ。たまらん!もっとちょうだい!ってなる」といい、嶋差も「落差がね」と応じて会場は大きな笑いに包まれた。

その後はコント3本を披露。最後の1本の途中で尾崎が登場人物としてステージに現れると、会場はどよめきに包まれた。尾崎はコント参加に「うれしかったですね。普段の自分たちのワンマンの時もこんな感じで盛り上がらない」と語った。クリープハイプの長谷川カオナシ(35)は「クリープハイプのお客さんはタオルとか回さないはずだから」としたが、屋敷も「いや、俺らのお客さんも回さないから」と即ツッコミ。最後は嶋佐が「クリープハイプとニューヨークの2組が合わさると、客席が湘南乃風のお客さんみたいになる」とまとめ、大きな拍手と笑いが巻き起こった。

それぞれのパート後はニューヨークの歌ネタの歌詞と題名を考えるコーナーへ。ラブソングを題材とした歌詞を「もっと良いものしたい」というニューヨークの要望を受け、尾崎らが気になった部分をクリープハイプテイストもこもった歌詞に変換した。「冷静な部分と、バイトを休んでしまっているので、その理由で高熱。そしてこの歌詞での登場人物の名前を会田くんにします」という尾崎の考案で、題名も「冷静と高熱の会田」に決定。長谷川のピアノ演奏に合わせて嶋佐と尾崎のデュエットで同曲をあらためて披露し、会場を沸かせた。

屋敷は「初めてこの曲が刺さりました。尾崎さんが歌うとよく聞こえる」と感動も口に。嶋佐へは「ファンキー加藤みたい」と突っ込み、尾崎は「初めてライブで『マジ』って言いました」と笑った。

最後は「ぜひバックバンドをやりたい」と語っていた尾崎の希望もあり、かつて嶋佐が披露したことのあるオアシスの「Don't Look Back in Anger」を全員で披露。屋敷もギターを持ち、嶋佐はサングラス姿にギターを持って同曲を熱唱。対バンライブなどでも相手と一緒にコラボレーションすることがほぼないというクリープハイプがニューヨークと同じ舞台に立っての一夜限りのスペシャルステージをしっかりと締めくくった。

同ライブは、一部のメンバー同士で面識があったことや、それぞれの単独ライブを訪れたことがあるなどしたつながりをきっかけに、ニューヨークが所属する吉本興業社員の提案で実現したもの。屋敷は「最高でした」と振り返り、尾崎も「いいイベントですね。またやりたいです」と笑顔。嶋佐も「テンション上がりました。またやりましょう!」と語り、熱狂のステージは幕を閉じた。【松尾幸之介】