ベネチア映画祭(イタリア)授賞式が9日(日本時間10日)行われ、濱口竜介監督(44)の「悪は存在しない」(24年公開)が審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した。

21年に「偶然と想像」がベルリン映画祭(ドイツ)審査員グランプリ(銀熊賞)、前作「ドライブ・マイ・カー」がカンヌ映画祭(フランス)で邦画初の脚本賞を受賞しており、世界3大映画祭で主要賞を受賞。同作は昨年、米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞しており、黒澤明監督以来の4映画賞完全制覇をわずか2年半で達成した。

     ◇    ◇    ◇

相米慎二監督の93年の映画「お引越し」4Kデジタルリマスター版が、最優秀復元映画賞を受賞した。同年にカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品されてから30年の時を経て、世界3大映画祭のうち2映画祭に出品され、受賞を果たす快挙となった。受賞した9日は、01年に53歳で亡くなった同監督の命日だった。同日から米ニューヨークで、83年の映画「ションベンライダー」が一般公開されるなど、死後22年たち世界で再評価が進んでいる中での受賞となった。