歌手さだまさし(73)が設立した「風に立つライオン基金」が12日、命や平和を守る活動を実践する団体・個人を表彰する「風に立つライオン オブ・ザ・イヤー2025」の贈賞式を都内で行いました。
国内活動が対象の「鎌田實賞」は岐阜県総合医療センターの新生児内科医師・寺澤大祐氏(46)が受賞しました。弟が重い病気を抱えて生まれたことが新生児医療の道に進むきっかけだそうです。“救った命の、救いっぱなしにしない社会を作る”がモットーの寺澤氏。「今は体重が300グラム、身長が23センチあれば救うということで医療を行っています」と自己紹介をした後で「10年くらい前、体重が600グラム程度の赤ちゃんが私の目の前で生まれました」と話を続けました。生まれる前からの肺炎がありましたが、懸命の治療で「あと3週間で自宅に帰れる」と両親に告げるまで回復します。ところが翌日になって容体が急変。退院予定日に亡くなりました。
「多くの亡くなっていった子どもたちが僕を支えてくれている。次に亡くなる子どもを1人でも減らせるようにしたい」。多くの命を救う一方で、生命と真摯(しんし)に関わる仕事をしている医師の覚悟の言葉だなと思いながら聞きました。
さだは「僕たちは人間ですから完璧じゃない。完璧ではないけど、本当に努力して努力して、だけど、助けられる時と助けられない時がある。助けられない時にも彼は学び、次は助けられるようになりたいということに常に思っている。そこがすごいところ」と寺澤さんについて語りました。 「風に立つライオン基金」の設立は15年。多くの被災者支援や奉仕活動などへの助成事業などを行っています。さだは「われわれがいなくなっても、思いや活動が続くように高校生ら若い人たちにバトンタッチをしていきたい」と話します。設立から10年。さだのまいたボランティアの種はしっかりと芽吹いていると実感します。【松本久】



