【プラハ=藤塚大輔】“4回転の神”イリア・マリニン(21=米国)が、3連覇を果たした。26日のショートプログラム(SP)では、今季世界最高となる111・29点で首位発進。フリーもトップの218・11点、合計329・40点で頂点に輝いた。

自身が世界で唯一跳べる4回転半こそ回避したものの、4回転ルッツ-オイラー-3回転サルコーを含む全3本のコンビネーションジャンプを演技後半に組み込む超高難度構成で勝負。計5本の4回転を成功させ、2月のミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)の雪辱を果たした。

絶対的な優勝候補として臨んだ五輪では、SP首位ながらフリーでジャンプミスを連発し15位、総合8位に沈んだ。「世紀の失速」に当初は失意にくれ、「ネット上の憎悪が精神をむしばみ」と、誹謗(ひぼう)中傷の深刻さも伺わせていた。それでも、この1カ月半は結果を真正面から受け止めて再起。「特に結果への期待は持っていなくて、この環境とフィギュアスケートという経験を受け入れて楽しみたい。それだけを考えていました」と、五輪後初の競技会に臨んでいた。

SPでは高難度の4回転ルッツ-3回転トーループなど全3本のジャンプを決め、スピンとステップシークエンスも全て最高難度のレベル4で復調を印象づけた。演技後には「別の世界線ではオリンピックに勝って世界選手権に出ていなかったかもしれないですが、今ここにいます。だからこそ今はこの瞬間を受け入れて、このスポーツを楽しみたい」と、前向きな思いを語っていた。