史上最年少の若さでジュニアの世界1位になり、今大会で4大大会デビューを果たした世界9位の小田凱人(16=東海理化)が、初出場初勝利の最高のデビューを飾った。

16年リオデジャネイロ・パラリンピックの車いすテニス男子ダブルス金メダルで、同7位のニコラ・パイファー(フランス)に6-1、6-3のストレート勝ち。「素直にうれしい。初勝利は大きな意味がある」と、デビュー戦勝利を喜んだ。国際テニス連盟(ITF)によると、16歳での4大大会出場は、史上最年少だという。

「緊張して、力んでしまった」と、サーブに苦しんだ。8本のダブルフォールトを犯し、たびたび自分のサービスゲームでピンチを招いた。しかし、重要なポイントでは力を発揮。第1セットの1オールから、5ゲームを連取。第2セットは0-2から逆転した。

次戦は、16年リオデジャネイロ・パラリンピック・シングルス金メダルのリード(英国)が相手だ、「1月のオーストラリアで1勝1敗だった。チャンスはある」と、初出場で4強入りも視野に入る。順当に行けば、準決勝で先輩、国枝慎吾との対戦だ。

名前の凱人(ときと)は、勝利への凱旋(がいせん)を意味し、凱旋門からつけられたという。まさに、凱人が、初めて4大大会に凱旋したのが、本家の全仏だった。しかし、「まだ凱旋門、行ってないんです」と、今は、試合に集中だ。【吉松忠弘】

◆全仏オープンテニスは、5月22日から6月5日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでライブ配信される。