陸上男子110メートル障害日本保持者の泉谷駿介(21=順大)が8日、オンラインで会見し、東京オリンピック(五輪)の決勝進出を目標に掲げた。

日本選手権決勝でマークした13秒06は、世界で見ても、今季3番目の好タイムだ。本人は「1回だけ出したタイム。それがアベレージではない」と謙虚だが、期待は高まっている。男子110メートル障害は過去に日本勢が五輪、世界選手権を通じ、決勝に進出したことのない種目。世界の壁に跳ね返されてきた中で、メダルも視野に入るポテンシャルを持つと、関係者から熱視線を集めている。その順大4年生は「決勝に進んで、13秒0台は出したい」と話した。

初の大舞台にも「ワクワクの方が大きい。自分らしく走れれば」と気負いはない。試合でも、あまり緊張はしないタイプだという。順大入学後は3段飛び、走り幅跳びも練習していた。今季は東京五輪へ向けて、110メートル障害に専念する形で練習し、またスタートから1台目までの歩数を8歩から7歩に変えた。その1年で、信じられない成長速度を示す。175センチとハードラーとしては小柄だが、まだまだ可能性は底知れない。

19年世界選手権の代表にもなった。しかし、右太もも裏肉離れで走ることができず。ドーハのスタンドからレースを見守った。「この悔しさを胸に焼き付け、今後に生かしていこう」と誓った。あれから2年。夏の国立競技場で、過去の自分も、日本の歴史も飛び越えていく。