バスケットボール女子で日本がフランスを87-71で破り、初の決勝進出を決めた。快挙の要因は、40分間走り抜く豊富な運動量。それを支えてきたのは、世界一の練習を重ねてきたという自負だ。

16年リオデジャネイロ五輪代表で、WリーグのJX(現ENEOS)時代からトム・ホーバス監督の指導を受けてきた大崎(旧姓間宮)佑圭さん(31)さんは、「自主練習や体のケアなどを含めると、朝から晩までバスケ漬けの日々だった」と振り返る。

指揮官が求めるのは、量だけでなく、質も世界一と呼ぶにふさわしいもの。「そこまで追求してくるかと戸惑うこともあった。ときにはメンタルを削られました(笑い)」。ちょっとしたステップの使い方や角度なども細部まで要求。無数に用意されたフォーメーションは頭をフル回転させ、体にたたき込んだ。

代表合宿でホーバスが課す練習内容に、現主将の高田真希(デンソー)から「(JXでも)いつもこんな練習をしているの?」と問われたことがある大崎さん。「普通だよ」と答えると、「そりゃ、優勝するよね」とため息交じりの反応が返ってきたのが印象深いという。

大崎さんは、「頑固だけれど、柔軟な面もあるトムのバスケは面白い」と評する。頂点を決める大一番で、そのバスケをもう1試合見られる。【奥岡幹浩】