悲劇は再び起きた。16年リオデジャネイロ五輪5位の田代未来(27=コマツ)が、2回戦で17年世界選手権銅メダルのオズドボンブワフ(ポーランド)に一本負けし、2大会連続でメダルを逃した。今大会で日本勢がメダルを逃すのは初。

両者指導1ずつで迎えた1分52秒。田代は相手に一瞬の隙を狙われ小内巻き込みで畳に沈んだ。主審は「技あり」の判定だったが、その後取り消され「一本」に変更。畳を下りた田代は床にうずくまって号泣し、守安コーチと5分近く抱き合った。

取材エリアでは涙しながら「これが現実でただただ弱かった…。挑戦者だから思い切っていくだけだと思ったけど、逆に慎重になりすぎた。もっと五輪で…試合をしたかった」と声を震わせた。

今大会は5年前の悔しさを晴らす舞台だった。リオ五輪後に左手首を手術し、18、19年世界選手権銀メダルなど実績を残した。けがを乗り越えて2度目の夢舞台に臨んだが、たった2試合で五輪を終えた。