初出場の乙黒拓斗(22=自衛隊)が金メダルを獲得した。決勝でリオ五輪銅メダルのアリエフ(アゼルバイジャン)を5-4で下した。

18年世界選手権を日本勢最年少となる19歳10カ月で制した。本人が「スタイルはない」という変幻自在の攻撃が特徴。「スピードとか、猫が戦っているみたい。空中戦みたいな。攻撃している時は足がマットに付いてない状態で回転したり。アニメみたいな、そういう状況が得意です。そういうところが魅せられればいいな」と望む。

小学校の低学年で「最高峰の大会が五輪と知ってから、そこで勝ちたい、活躍したいと考えてました」と期していた舞台。前日6日の準々決勝、準決勝では19年世界選手権で敗れた相手に雪辱も果たし、勢いに乗っていた。「一度負けている選手。2回目の負けは屈辱的なので、絶対に負けないという気持ちで挑んだ」と語気を強める姿があった。

「五輪とかではなく、1試合勝ちたいという気持ちで頑張りたい」と挑んだ決勝で、見事に結果を残した。

◆乙黒拓斗(おとぐろ・たくと)1998年(平10)12月13日、山梨・笛吹市生まれ。4歳から競技を始める。東京・帝京高時代の14~16年に全国高校総体を3連覇。15年には世界カデット選手権54キロ級で優勝した。18年6月の全日本選抜選手権65キロ級を初制覇。プレーオフも制し、世界選手権初代表になると、初の10代金メダリストとなった。今春に山梨学院大を卒業し、自衛隊に入隊。173センチ。