東京オリンピック(五輪)世代の横浜FW前田大然(23)の勢いが止まらない。

4試合連続ゴールで計6得点。C大阪のFW大久保嘉人を抜いて得点ランキング単独トップに浮上した。今季は足元の技術が飛躍的に向上している印象で、50メートル5秒台というトップスピードの中でもボールコントロールは乱れず、好機を確実に仕留めている。

前半10分のゴールは象徴的。相手DFに猛然とプレスを仕掛け、敵陣中央でボールを奪いきった。そのままの勢いでペナルティーエリア内まで加速すると、左足で豪快にネットを揺らした。昨季まではJ1通算38本のシュートで5得点、シュート決定率は13%にとどまったが、今季の6得点に要したシュート数は12本で、同決定率は50%を誇る。

横浜の選手がJ1リーグ戦で4試合連続ゴールは、昨年9月のFWエリキ(現中国1部長春)以来。日本選手に限ると、97年と98年のFW城彰二、11年のFW渡辺千真に次いで10年ぶり3人目となった。

今季の開幕前はエリキとジュニオール・サントス(ともに昨季13得点)という外国人アタッカーが抜けて前線の迫力不足が心配されたが、東京五輪世代のエースの座を狙うスピードスターが最前線で躍動。一昨季の王者が調子を上げてきた。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)