日本が伊東のゴールによる1点を守り抜き、ついにB組2位に浮上した。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)は、無得点に終わった前半の戦い方にメスを入れた。勝った時こそ、今後に向けた課題を提言した。

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日本がB組2位へ浮上したが、本大会への出場は何も決まっていない。そんな危機感を持って、残り4試合に臨んだ方がいい。

気になったのが前半の戦い方だ。インサイドハーフの柴崎と田中が、ビルドアップの際にFWに近い位置を取ることが多かった。サイドからのクロスへの対応は有効なのだが、これで日本の強みである中央からの崩しが少なくなった。

攻撃の選択肢が狭まることで、ボール保持率は高いのに決定機がつくれない。多彩な攻撃ができず、オマーンには恐怖心を与えられなかった。バランスを欠いた選手の位置取りが原因ということになる。

もちろん後半の三笘の活躍は好材料だが、あくまでベースである組織で考えると手放しで喜べない。同じく途中投入の古橋も悪くはなかったが、中盤も含めて偶発的なプレーに終始した感は否めない。組織としての戦い方を構築しないと、個人に頼るには危険だ。勝った時こそ反省したい。(日刊スポーツ評論家)

相手選手にタックルを仕掛ける三笘(ロイター)
相手選手にタックルを仕掛ける三笘(ロイター)