ベガルタ仙台がアウェーで湘南ベルマーレを3-1で撃破し、勝ち点19で7位に浮上した。前半3分、MF野津田岳人(23)が今季初ゴールを挙げ先制すると、同36分にはFW西村拓真(21)がPKを押し込んだ。後半にPKを献上するなど相手の勢いに押し込まれたが、ロスタイムにまたもや西村が、今季6点目となる値千金のダメ押しゴール。6戦ぶりの勝利を挙げた。

 ロスタイムは4分。湘南の波状攻撃を受け、いつ追いつかれてもおかしくない状況だったが、仙台西村が一撃でとどめを刺した。ハーフウエー付近でMF蜂須賀が浮かしたボールに反応。相手DFラインの裏を抜け出し長い距離を走り込むと、最後はGKと1対1となり、左足でゴールに流し込んだ。

 西村 きつかったが決められてよかった。サポーターの方がお金かかるし大変な中、アウェーに乗り込んで声援を送ってくれた。ありがたい。

 今季2度目の複数ゴールで試合を決定づけると、感謝の気持ちから敵地に乗り込んだゴール裏のサポーターの元に真っ先に駆けつけ、歓喜を分かち合った。

 西村の決定力向上が、チーム躍進の原動力となっている。昨年は28試合の出場でシュートは35本。2本のシュートを決めたが、決定率は5・7%と好機で決めきれなかった。それだけに今季は「もっと確率を高めたい」と、居残りでシュート練習を敢行。ここまで13試合に出場し、すでに昨年を上回る6ゴールを挙げる。決定力に磨きをかけ、決定率も30%(シュート20本)と改善し、得点ランクは6位タイに浮上。浦和FW興梠慎三(31)に並び、日本人の得点ランクでは2位につけている。

 渡辺晋監督(44)は「受けに回らずに、前を向く意識を持とうぜと選手を送り出したが、みんながチャレンジしてくれた。結果的に拓真が足を止めずに3点目を突き刺してくれた」と振り返った。若駒の奮闘で負の連鎖を断ち切り、目標のトップ5へ再び巻き返しを図る。【下田雄一】