北海道コンサドーレ札幌は千里丘FC(大阪)を3-2で下し、16年以来2年ぶりの4強入りを決めた。U-15日本代表にも名を連ねるFW佐藤陽成(ようせい=14)が、前半13分の先制点から波に乗り、同19分に2点目。同点の後半4分には決勝点を挙げ、1試合3得点のハットトリックの活躍で勝利に導いた。予選リーグから計6試合7得点のエースストライカーは、初の決勝進出をかけて、明日23日にセレッソ大阪との準決勝に臨む。

 エースストライカーの本領発揮だ。コンサドーレ札幌FW佐藤陽が躍動した。前半13分、ハーフラインでボールを受け取ると50メートル6秒3の快足を飛ばし一気にペナルティーエリアへ。「相手GKのポジションを見ながら点が取れるところを狙った」。たったひとりでDFラインを切り裂き、最後は右足で冷静にゴール左隅を狙った。

 7月にはU-15日本代表として中国遠征にも参加した。「ファーストタッチやパスなど勉強になることばかりだった」。高いレベルで技術を磨いた。この日は先制点の的確な右足に続き、前半19分には左足でズドン。さらに同点の後半4分には、GKをふわりとかわす“技あり”ゴールでハットトリックを記録した。いったん追いつかれ「(チームが)消極的になっていた」(柴田慎吾監督=33)なかで、獅子奮迅の活躍だった。

 稚内市生まれ。稚内南小1年時、同時期に流行したアニメ「イナズマイレブン」に触発されて競技を始めた。あこがれのサッカー選手はすぐに浮かばないが、主人公「豪炎寺修也」は今でも目指す存在だ。口数は少なくとも、熱い闘志でチームを引っ張るのが豪炎寺。佐藤陽も気迫のこもったプレーでチームを全国4強に導いた。

 今年4月には「プロを目指すため選んだ」と、練習生として参加していたコンサドーレ札幌に正式加入。親元を離れ、寮生活をスタートさせた。高校生中心の寮に、中学生は佐藤陽のみ。厳しい環境に身を置き、精神的にも鍛えられている。柴田監督は「スピードがあって、馬力がある」。予選リーグから計6試合7得点と大暴れ。将来A代表での活躍を夢見る14歳は「明後日(23日)も自分が点を取って勝ちたい」。初の決勝進出をかけ、今日もまた点を取る。【浅水友輝】

 ◆佐藤陽成(さとう・ようせい)2003年(平15)9月3日、稚内市生まれ。稚内南小1年で競技を始め、今年4月に稚内南中から札幌宮の丘中に転校。コンサドーレ札幌には中学1年の冬から練習に参加。ポジションはFW。168センチ、59キロ。家族は母と姉2人。