J2自動降格圏の最下位にあえぐJ1大分トリニータの片野坂知宏監督(50)は、必勝を期した。

7日、大分市内で練習し午後から11日のホーム湘南ベルマーレ戦(昭和電ド)へ向けたオンライン取材に対応。残留への勝ち点目標を問われたが、具体的な数値は提示せず。「目の前の試合に対してどれだけ準備ができるか。こういう状況なので、選手には目の前の試合にアグレッシブにトライしてほしいと伝えている」と、直近の試合への全力投球を強調した。

約2週間の中断期間中、普段は行わないという紅白戦まで敢行した。GK高木駿(32)が「全員がハードワークしていた。危機感を感じている。アグレッシブに取り組んでいると思う」という激しさを見せた。まずは、ここまで6試合未勝利(1分け5敗)の悪い流れを湘南戦で断ち切る狙いだ。

指揮官もピンチの打開に必死だ。これまでは、ボール支配に重点を置き、相手のスキを見ながら後方から前へつなぎ両サイドを大きく使う“攻撃的”な大分伝統の戦法だった。

だが、攻撃力のある8月9日川崎F戦から大きく方向転換。ハイプレスからボールを奪うショートカウンターなどを取り入れ、堅守カウンターから「縦の速さ」に重きを置いた。ただ、このタイミングでの“守備的”な戦術変更においては、90分間連係した高強度を保てるはずもなく、意思疎通不足も影響して複数失点を重ねてきた。

残り11戦。湘南戦の結果次第では、戦術に手詰まり感が漂う恐れもある。だが、今季は「一致団結」をスローガンに9位以上を狙った初心に帰り、最後まで粘り強く戦うしかない。