東京ヴェルディが、下位同士の対戦となったアウェーの横浜FC戦を0-0で引き分けた。リーグ単独最多となる13試合目の無失点試合。リーグワーストの16得点ながらチーム全員がハードワークを仕掛け、J1残留に向け半歩前進する勝ち点1を手にした。

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東京Vは攻め込まれた。再三のピンチにも全員がいち早くゴール前に戻り、シュートブロックした。DFラインの谷口が、深沢が、そして守護神マテウスが球際で防いだ。ベンチメンバーも含め、フレッシュな選手にバトンをつなぎチームとして90分を走り切る。0-0で終えた。その懸命さはJ1でも随一だろう。

リーグワーストの16得点。19位横浜FCが18得点、最下位20位の新潟が27得点していることを見ても、その少なさは一目瞭然だ。試合のたびに繰り返し決定力不足を問われる。それに対し城福監督は「一般論もありますけど、ワンチャンスで決めきるのであれば、それなりの年俸をもらってそれなりのチームにいるんですよ。だからこそストライカーというのは希少価値があって、一般人からしたら想像もつかないような条件でプレーできている」。

東京Vトップチームの人件費は24年度発表で9億200万円でJ1最低だった。この日対戦した横浜FCが前線に新加入のアダイウトンにルキアン、ジョアン・パウロと3人のブラジル人を並べているのとは対照的だった。「じゃあ我々は何ができるかって言うと、これは確率の問題でチャンスの数を増やすしかない。ワンチャンスを決める選手が出てきてくれるよう個人的な伸びに我々は寄り添いながら、チームとしてやれることは分母を増やしていくしかない。そこはもうブレずにやるしかない」。

対戦するクラブにはどこも高いサラリーを受け取り、勝利を期待される強力な外国籍選手がいる。単純にその顔触れと比較すれば劣勢に映る。しかしそれを覆すけれん味のない組織だった攻守を作り上げ、厳しいJ1の世界で生き残ろうとしている。

サッカーはバジェット(予算)だけじゃない-。反骨の指揮官、城福監督は強い信念を持ち、選手を鍛え成長させることでチームを作っている。勝ち星はつかなくとも地道に1歩ずつ。その表れともいうべき今季13試合目のクリーンシートだった。【佐藤隆志】

【J1】横浜FC-東京V、京都-岡山、神戸-横浜/スコア速報