シントトロイデンのMF関根貴大(23)は、オーステンデ戦に後半43分まで出場し、移籍後2試合目の先発を果たした。決勝点につながった後半12分の右CKはキッカーを務めて勝利に貢献した。

先発は試合当日に発表されるが「試合の2日前くらいから、(先発の)チャンスは来るかなとは思ってた」と予期していた通り、1月18日のゲンク戦以来の先発となった。前半26分に長いドリブルで相手を抜き去り、角度の無い所から右足シュートを放った。これは相手GKに止められたが、試合開始からエンジン全開。「前半から身体は動いていた。その中でチャンスがある時は、積極的に仕掛けていこうと思ってました」と、予定通りの試合の入り方が出来た。

後半5分にはMF遠藤の浮き球のパスに反応し、ペナルティーエリア内から頭でネットを揺らした。だが、判定はオフサイド。初ゴールはお預けとなったが「はっきりとオフサイドだと分かっていた」と、レフェリーに異議を唱えることもなく、冷静を保ちながら試合を続けた。

すると、7分後に待望のゴールを演出する。右CKをファーサイドに蹴り、MF遠藤の頭に合わせた。遠藤が中へ折り返し、FWママドウがヘディングで決勝点。貴重な得点を演出しても「得点チャンスはすごい多かった。4、5点取れていてもおかしくなかった。それが今日の試合の課題と思います」と喜ばず。反省点を口にした。

浦和時代に慣れ親しんだポジションが好パフォーマンスにつながった。シントトロイデンでは右MFが主戦場だが、今日は左MFでプレー。「元々、浦和で左サイドをやっていた。(ポジション変更による)難しさはいつも感じてはないです」と淡々と話した。17年のJリーグ最優秀ゴール賞を受賞した、広島戦の6人抜きゴールも左サイドからのドリブル。久しぶりに得意のポジションでプレーし、相手を切り裂いた。

移籍後初先発となったゲンク戦以降は、6試合連続のベンチ入りを果たしたが、出場なし。「試合に出たい気持ちは、すごくありました」と、出番を得られない苦しい時期が続いた。だが「(試合に)出た時に、どれだけの結果を残せるかというところで『常にいい準備をしないと』という思いで、いつもベンチに座っていた」。腐らずに我慢を続けた。

我慢の結果、3月17日のリーグ戦最終節で後半18分から出場すると、下位POに入って2戦目から2試合連続で途中出場と徐々に出番が増えた。そして今日、ようやく手にした先発のチャンスで決勝点を演出。将来を嘱望された23歳が、輝きを取り戻す1歩を踏みだした。

(エリーヌ・スウェーブルス通信員)