日本代表DF吉田麻也(33)がサンプドリアからブンデスリーガのシャルケに移籍したため、今季セリエAでプレーする日本人選手はゼロになった。

それでもセリエAは注目すべきリーグだ。ここ2シーズン、王者ユベントスが勢いを失い、昨季はACミランが11季ぶりにスクデット(優勝)を獲得した。今季も混戦が予想されている。

そんな中、上位に絡んできそうなのが、ジョゼ・モウリーニョ監督(59)体制で2年目を迎えるローマ。昨季は新設された欧州カンファレンスリーグ決勝でフェイエノールト(オランダ)を下して初代王者となった。同監督にとっては欧州チャンピオンズリーグ(ポルト、インテル・ミラノで優勝)、欧州リーグ(マンチェスターUで優勝。ポルトで前身のUEFAカップ制覇)に続く欧州カップ戦での頂点。優勝請負人の面目躍如で、うれしさのあまり3大会のトロフィーを並べた絵柄のタトゥーを入れてしまったほどだ。

今夏の補強も本気。ユベントスとの契約が満了となったアルゼンチン代表FWディバラを3年契約で獲得。フランス1部パリ・サンジェルマンからはオランダ代表MFワイナルドゥムが期限付きで加入した。マンチェスターU、トットナムと満足のいく結果が残せず、監督としては終わりに近づいていると言われたモウリーニョ監督だが、息を吹き返しそうだ。

同監督について現在、欧州メディアでまことしやかにささやかれているのが「やたらと若返っている」ということ。ローマは7日、プレシーズン戦でシャフタル・ドネツクに5-0と大勝した。試合後、モウリーニョ監督はウクライナの美女テレビ司会者にインタビューされたのだが、この時の2ショット写真がネット上で出回ると「イタリアでの生活はモウリーニョを10歳若返らせるらしい」などの書き込みが相次いだ。自らを「スペシャル・ワン(特別な人間)」と称したあの名将が、全盛期のバイタリティーでローマを優勝争いに導く。【千葉修宏】

○…昨季はACミランが久しぶりに優勝を飾ったが、連覇は厳しいかもしれない。「ベット365」や「スカイベット」など、オンライン賭けサイトの優勝予想オッズでいずれも1番人気なのがインテル・ミラノ。2番手がユベントスで、ACミラン、ローマと続く。チェルシーからベルギー代表FWルカクが復帰し、ラウタロ・マルティネスと強力コンビを形成するインテルをどこが止めるか。