[ 2014年2月22日21時33分 ]女子パラレル回転1回戦で敗退したが、手を振って声援に応える竹内智香(共同)<ソチ五輪:スノーボード>◇22日◇女子パラレル回転

 パラレル大回転2銀メダルの竹内智香(広島ガス)は、決勝トーナメント1回戦で敗れ、14位だった。

 「100パーセントの仕事をしてくれる世界一のコーチ」との二人三脚で戦ったパラレル種目の竹内にとって、4度目の五輪は実りの多いものとなった。回転は14位に終わったものの、大回転は銀メダル。「完璧な環境をつくり、勝ち方を教えてくれた」と感謝した。

 オーストリア人の41歳のスタドラー氏は現役引退後、母国のコーチとして世界選手権や五輪で数々のメダリストを輩出した。竹内は「日本人以上にまじめで繊細」と人間性に魅力を感じた。

 日本の強化態勢に不満を抱いて世界に目を向けた2007年から、師事する相手として頭にあったのが同氏だった。オーストリア代表との契約が切れた11年に個人コーチに招いた。「どこの国も欲しがった。取り合いだった」というほどの名指導者がなぜ竹内を選んだのか。「常に勝ち続ける真の女王となる手伝いができると思った」と同氏は説明した。

 板を運ぶなど選手の負担を減らすため雑用は何でもこなす。技術を押しつけず、速さを追求する竹内に安全な滑りをするように時間をかけて説いた。互いに納得いくまで話し合って滑りをつくり上げ、日本のスノーボード史に確かな足跡をしるした。