今季シニアデビューを迎えた3人娘が躍進するロシアが、GPシリーズ6戦(ファイナル除く)の女子シングルで初となる1カ国での全制覇に王手をかけた。

デビュー戦だったフランス杯を制したアリョーナ・コストルナヤ(16)が紀平の持つ世界最高を1・07点更新する85・04点で首位発進。全てのジャンプをほぼ完璧に決めた。「それほど緊張はしなかった。常に新しい記録は目指している」と喜んだ。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を難しい入りから鋭い回転でまとめて2・40の加点を引き出すと、後半の3回転フリップ-3回転トーループでも2・42点を加えてみせた。ステップでもしなやかさとキレを織り交ぜる滑り、動きは見事だった。

同門には同じく今季デビューで、4回転を跳ぶシェルバコワ、トルソワがいるが信念がある。「自分もそれ(4回転)をマスターするか、あるいはコストナー(イタリア)の滑りのようなものをマスターするか。コストナーは本当に美しく、人々の心を奪うような気持ちが入った演技で、すべての動作が完璧でした」。表現力、随一のスケーティング技術を誇ったコストナーが理想型。平昌五輪金メダルのザギトワの存在をかすませるほどで、それぞれが武器を持つ3人娘。勢いは増すばかりだ。【阿部健吾】