【トリノ=佐々木隆史】ショートプログラム(SP)2位発進の羽生結弦(ANA=24日)が7日のフリーに向けて、本番会場で公式練習を行った。

最初に跳んだジャンプは4回転-3回転の連続トーループ。SPで失敗したジャンプをいきなり決めた。その後も4回転ループを跳ぶなど、精度の高いジャンプを披露。そして封印してきた4回転ルッツも鮮やかに着氷。4日の公式練習から3日連続で跳び、この日は何度も踏み切りを確認するなど、7日フリーでの投入に向けて調整に余念がなかった。

曲かけ練習では4回転ループ、4回転ルッツ、4回転サルコー、2本の4回転トーループを跳ぼうとするなど、異次元の4種5本の4回転ジャンプを跳ぶ構成をにおわせた。

さらに圧巻は練習終盤。羽生は、意を決したかのように前代未聞のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦。公式練習で初めて挑み、3本連続で跳んだが転倒。逆転優勝に向けて、並々ならぬ気迫を見せた。フリーで4回転半を跳ぶかについては「ただ練習してただけです」。それでも、4回転ジャンプ4種5本の構成については「そのつもりでやります」と話した。

SPでは連続ジャンプでミスが出て、今季自己最低の97・43点。110・38点で1位ネーサン・チェン(米国)に、12・95点差つけられた。フリーが行われる7日は25歳の誕生日。自身最大点差の逆転優勝で花を添えたい。

フリーは第5番、日本時間7日午後9時38分滑走予定。